• 土. 4月 20th, 2024

「個」で崩壊した2006ドイツW杯。

ByRem York Maash Haas

6月 10, 2013
<iframe width="480" height="360" src="http://www.youtube.com/embed/bw9sZJaz7kM?rel=0" frameborder="0" allowfullscreen></iframe>
Facebook http://www.facebook.com/maashjapan

 

本田は意識的に「W杯優勝」を口にして、メンバーたちやメディアの意識改革をしている。

その点は革命だが、先日の「チームワークは持って生まれたもの」発言は、少々危険な匂いがする。

初戦でオーストラリアに敗れた悪夢のドイツW杯は、まさに「個」のチームだったからだ。

 

中田、中村、小野、宮本、中澤。

ジーコは「個」の力を信じ、個が集まれば勝てると思っていた。

そして、W杯期間中、「個」はぶつかりまくった。

 

まず、プレスのかける位置だ。

中田は早めのプレスを主張したが、宮本は一度自陣に戻ってからのプレスを主張。

他のメンバーは口を挟める雰囲気ではなく、二人の口ケンカはいつまでも続いた。

 

しかし、これは監督が決めることだ。

今季チャンピオンズリーグで活躍したバイエルンもドルトムントも、プレスをかけるタイミングこそ、チームが勝つための重要な戦術であり、「チームワーク」だ。

 

ジーコは攻撃の選手であり、プレスについては知識がなかった。

予選は国内選手を中心としたチームであり、99年ワールドユースで準優勝した小野や小笠原、稲本の黄金世代チーム。

チームワークが抜群で、みな性格も穏やかだった。

 

このチームワークを壊したのが、中田だった。

近寄りがたい雰囲気を作るのは得意。同時に、静かな俊輔も人一倍負けず嫌い。

黄金世代中心のチームはそのままワールドカップで結成できず、ジーコジャパンは崩壊した。

 

今、インテルやマンUで活躍している選手の特長は、笑顔にある。

常に笑顔で、チームメイトに溶け込むのがうまい。

まるでバルセロナの選手たちのようで、レアル・マドリーのようではない。

本田はやはり、後者に合っている。

 

 

日本に必要なのはより強い「個」であるのはたしかだが、本田が主張するような「前に出ようとする個」なのか。

本田がボールを持って立っていたあのシーンで、香川が「僕が蹴ります」と主張したら、彼はどうしたのか。

かつての俊輔のように、鼻で笑ったのだろうか。

 

蹴る選手を決めるのは監督だ。

プレスの位置も厳格に決めるのが監督だ。

どんなに厳しく細かく監督が選手に指示しても、日本選手はクラブチームのようにしっかり機能する。

日本人選手はバルセロナのように、パスを選択せずに無理にシュートを打つようなことはしない。

かつて柳沢が主張し批判されたような、「確実に決められる人にパスをする」し、それがモダンである。

 

今の代表チームは見ている限り、仲がいい。

選手は穏やかで、チームワークもある。

しかし、かつて中田が入ったことで崩壊したドイツW杯の日本代表のように、本田が他メンバーから「いらない」と思われたとき、チームは崩壊するかもしれない。

「個」よりも「チームワーク」。

これは、ドイツを経験した私たちの合い言葉である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Similar Posts: