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スペイン自滅と日本代表の進む道。

ByRem York Maash Haas

7月 2, 2013
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http://www.guardian.co.uk/football/2013/jul/01/brazil-spain-confederations-cup
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数年米、クラブチームの戦いではバルセロナに手も足も出なかったネイマール。

しかし今回、代表同士の戦いでは、バルセロナと同じ戦術で挑んだスペイン代表に勝利した。

しかも3-0で。

2点目はネイマールが奪ったものだった。

 

ホスト国による5連勝。

来年のワールドカップに向けて文句のいいようのない勝利。

 

はたして、「個」が戦術に勝ったのか。

結局は、強力なテクニックのあるフォワードが必要なのか。

結論から言えば、Noだ。

 

あくまで、スペインの自滅だった。

 

前半16分、スペインは態勢を整える前に、マタが左サイドからクロスをあげようとしてカットされた。

その後イニエスタが中盤からミドルシュート。

26分のペドロへのパスも、アルベロアのバックパスもお粗末だった。

大事にボールをキープしてフォーメーションを整えるはずのスペインが、攻め急いですぐにボールを失っていた。

ポゼッションのできないスペインは、何の力もない。

足が遅く、体の小さい選手の集まりだ。

 

 

 

なぜポゼッションができないのか。

普通、先制点を取られた場合、負けているチームは攻め急ぐ。

スペインはこの時間帯、0-1で負けている。

バルセロナならば、この時点で攻め急ぐことはない。

どんな状況でもポゼッションを貫き、パスをまわし続ける。

しかし、バルサと同じ戦術をとっているはずのこの日のスペインは、まったくパスまわしができていない。

それは、攻撃陣にカウンターサッカーのチェルシーに所属するマタとトーレスがいるからだ。

 

トーレスはバックパスをしてポゼッションサッカーの仲間入りをしようと試みるが、本来はスルーパスを待って前線に張るタイプだ。

パスサッカーに積極的に関わるタイプではない。

バルセロナではフォワードも積極的にパス回しに参加する。

 

マタはカウンター時の意表をついたスルーパスが持ち味だ。

相手ディフェンス陣が態勢を整う前に、フィニッシュしたい。

 

それでも前半36分、スペインのポゼッションは60パーセントに達する。

 

 

しかし見た目は、ボールを失ってばかりだ。

「ゴールへの可能性」はまったく高まらない。

状況を打開しそうになったのは、チェルシー陣のカウンターだった。

39分、カウンターでマタ、トーレス、マタとパスを繰り返し、ペドロがシュート。

決定的だったが、ダビド・ルイスに防がれる。

 

そして少しずつ、ブラジルが攻め始めた。

ボールを失うなら、カウンターされるのがポゼッション・サッカーだ。

「個」が強ければ、カウンターは見事に効く。

オスカルとネイマールで、2点目が決まった。

 

誰がチャンピオンなのか。

 

サッカーはその試合に入る前に、有利不利が大きく決まる。

ホームなのかアウェイなのか、強いのか弱いのか。

どうしても勝たなくてはならない試合なのか、引き分けでもいいのか。

それによって、戦い方が変わるからだ。

 

もし引き分けでいい状況なら、ポゼッションでボールをまわし、「攻めない」。

攻めなければ、ボールを失わない。

 

相手が勝ちたい場合は、ポゼッションをされるとやっかいだ。

一刻も早くボールを奪いたいのに、ボールがまわってこない。

やっと奪っても攻め急ぐから、すぐ相手にボールが渡ってしまう。

 

そして、

・無理にでも取りに行こうとする。

・フォーメーションは崩れる。

・そこを突かれる。

となる。

 

まるで、ドイツ W杯で、一人ボールを追い続けた中田のように、むなしさだけが残る。

相手はたしか、ブラジルだった。

 

これは、対戦相手が同じ状況だった場合、先制点を取ったときにも発生する状況だ。

なので、今回はブラジルが先制点を取ったので、ブラジルがボールまわしをする番のはず。

スペインにボールを渡さなければいいのだ。

 

しかし、世界の代表チームで、スペインだけが「状況にかかわらず」「攻め急がない」チームだ。

どんな状況でも、ホームで有利で世界一のような態度で、ボールをまわす。

点を取らなくてはならないのに、ボールをまわす。

サッカーの常識が通用しないのだ。

 

だからなんとなく相手はボールを取りに行き、崩壊する。

 

その、サッカー界の常識破りをするスペインが、少しだけ攻め急ぎ、常識に近づいていく。

アウェイだからか、決勝戦だからか、マタとトーレスがいるからなのか。

スペインは自ら崩壊したのだ。

シャビは、チームをコントロールできなかったことを何より悔しく思っているはずだ。

 

 バルセロナを破るには。

 

バルセロナのようなポゼッションに対し、対抗策はあるのか。

ひとつは、同じサッカーをすることだ。

精度が高いほうが勝つ。

 

もうひとつは、モウリーニョのインテルがやった方法。

「手を出さない」「引いて守る」

 

まるで勝つ必要がないように手を出さず、攻め急がない。

しかも守る。

 

これによって、バルセロナは攻め急いだ。

 

もう一度言う。ポゼッションで攻め急げば、カウンターの餌食だ。

 

これはインテルが、守備力のあるチームで、でしゃばらない選手ばかりだからできたことだ。

攻撃力のあり、個性のあるレアルでは、苦労する。

攻めない試合など、選手が納得できない。

生存競争を勝ち抜き、個人技で戦ってきた選手には、ポゼッション・サッカーは不可能だ。

宇佐美がポゼッションできるのか(宇佐美のプレイは大好きだ)。

完全にゴールを奪える状況までシュートを打たないなんて、「個」の死じゃないか。

 

だからバルセロナは生え抜きで戦う。

この戦術が素晴らしいと、若いうちから洗脳しないと成り立たないからだ。

「個」でライバルと戦ってきた「代表」チームでは、ほぼ不可能なはずだ。

でもきっと、日本代表ならできる。

 

戦い方は知らないけれど

 

思えば、常に最良の状況を選択し、エゴを出さない柳沢は、ポゼッション・サッカー的フォワードの第一人者だった。

簡単なパスを繰り返す小野もそうだ。

 

トルシエは選手のエゴを嫌い、中村俊輔を嫌った。

中田はロングパスやスルーパスが得意で、足の速い岡野が好きだった。

 

ジーコは結局、エゴの強い中田や俊輔を選び、小野や柳沢を冷遇した。

そして惨敗した。

 

今の代表はザックがポゼッションを中途半端にやろうとしている。

本田や香川は完全にポゼッション的動きをしているが、ザックは途中でポゼッションのできない酒井やハーフナーを投入する。

ゼロトップの真ん中が香川、サイドに本田、ボランチ遠藤を残し、あとは「個」をむき出しにしない、自己犠牲とパスワークに優れた人たちを集めれば、何かが起こる。

 

99年ワールドユースで準優勝を飾ったにもかかわらず、代表では冷遇されてきた黄金世代を、日本はもう一度評価しなくてはならない。

エゴを剥き出しにせず、チームワークで戦った彼らは、上のカテゴリーでは強い個性の前に沈黙するしかなかった。

ドイツでは中田と宮本の喧嘩を黙ってみているだけだった。

チームワークのないチームに、嫌気がさしていたはずだ。

しかも、小野は戦犯にされた。

 

あの敗因ははっきりしている。

中田はディフェンスラインを高くし、高い位置での攻撃を主張。

対するディフェンス陣は、深い位置で下がって守った。

喧嘩が、大事な時間帯でチームを分割したのだ。

中盤ががら空きになった。

 

当然、プレスの位置を決めるのはジーコであり、状況や時間帯でも約束事として決めておくのが監督だ。

中田が決めることではない。

そんなチームで小野が輝くはずもない。

 

今の代表チームで、そんなことは起こってほしくない。

本田が言うような「個」が必要というなら、宇佐美を呼べばいいが、日本はカウンターでは世界に勝てない。

相手をいなし、パスで翻弄する。

ゴールの可能性が最大限高まるまで、パスをまわし続け、たまたま最後になった誰かが、ゴールを決める。

自己犠牲をいとわない日本人なら、きっとできる。

黄金世代は実現しているからだ。

 

 

日本の戦国時代は、「攻め急がない」駆け引きが戦いだった。

いかに先に仕掛けず、自陣に攻め込ませるか。

そのためにさまざまなことをやる。

「攻めるが負け」

日本代表なら、できるじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

※追記中です

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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