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次世代エンジンHCCIとマツダクリーンディーゼルの共通点。

ByRem York Maash Haas

10月 14, 2015
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VWの不正問題で注目を集めているディーゼルだが、まさかフランスがこんなにも早く方針を転換するとは思わなかった。

国の半分がディーゼルで、国が長い間奨励してきたのだけども、4日にロワイヤル環境相が「いますぐディーゼルから抜け出す準備をはじめる」と発言し、実際に今後5年で優遇措置を改めるという。

西から東への180度方向転換。

 

ヨーロッパのディーゼル環境は日本には伝わりづらいものがあったが、もともと「ディーゼルのせいでヨーロッパ都市部の空気が汚れている」というニュースが日本のネット上でも広まっていた。

しかし、「クリーンディーゼル」が日本でも喧伝されるなか、なかば黙殺されていた。

今年になってからフランスやイギリスで「ディーゼル政策は誤り」という発言が政府や議会から出てきて、VW不正事件が一気に後押しした。

さすがにパリの市長が市内でのディーゼル車走行禁止を提唱したのはインパクトがあった。

PM濃度がたとえば147マイクログラム(ロンドン79.7)に達したりする日もあって、空気がかすんで見える日もあるというのだから、仕方が無い。

 

私はすべてのディーゼルが悪いとは思わないが、世の中の流れが大きく変わるのはやはり避けられない。

ドイツでは問題のあったディーゼル所有者が、走るのを躊躇っているという。

オーナーや自動車ファンの意識が、なにより深刻なのだ。

 

私もマツダのクリーンディーゼルがまったく違うものだとしても、興味がない人は深く調べることはないから、今後の売り上げには影響があるのは必至だと思っている。

しかし、マツダクリーンディーゼルの現オーナーが、その技術に疑問を感じる必要はない。

むしろ、マツダ独自のディーゼル技術に誇りを持つことさえあるはずだ。

なぜかというと、彼らのクリーンディーゼルは、欧州ものものと違って、半分次世代エンジンの考え方を利用している。

空気と燃料をあらかじめ混ぜるという方法だ。

 

次世代エンジンとは、HCCI(予混合圧縮自己着火)のこと。

これはガソリンだけども種火を使わない方法で、すでに50パーセントほどはHCCIで動作する技術をマツダは持っているという。

本来、ディーゼルとの違いは、着火する場所だった。

ディーゼルの場合、噴射した場所から着火する。しかし、HCCIは燃料と空気を混合しているので、燃焼室内のあらゆる場所でバランスよく着火が発生する。

それをHCCIもディーゼルも高圧縮でやるのだが、ディーゼルだと高圧縮のために均一な燃焼が起きない。

マツダはディーゼルでNOxやPMを減らすために、均一な燃焼を目指した。

その答えが、HCCIとは逆の低圧縮だった。

低圧縮にすることで、燃料と空気が混ざり合う時間を作ったのだ。

HCCIはあらかじめ空気とガソリンを混ぜたものを燃焼室に送るので、予混合の方法は違うが、すでにマツダはディーゼルでHCCIらしきことをして環境性能を向上させたのだ。

 

 

ディーゼルで低圧縮の低い温度による着火を実現するにも苦労している。

マツダ用に開発されたインジェクター(燃料を高速で噴射する装置)は非常に性能が高く、タイミングの調整能力が凄まじい。

さらに、オリジナルの可変バルブシステムによっても温度の調整をしている。

HCCIの場合、あらかじめ圧縮された混合気を燃焼室に吹き込むという方法も提唱されているので、インジェクターがまったく違うシステムになる可能性もあるが、可変バルブの技術などは共通するものがあるかもしれない。

どちらも温度を調整することで燃焼のタイミングを制御したいという目標があり、苦労するターゲットは同じだ。

 

というわけで、HCCIではないけれど、HCCI的なことをしている画期的なクリーンディーゼルを持っているのがマツダだ。

この素晴らしい技術を今回のVW不正事件によって駄目にしたくない。

だけども、世の中の流れは厳しい向きが依然ある。

 

実際に、PMは出るのでDPF(酸化触媒付き)という装置で燃やす。

それで発生したNOxは規制値以下で、尿素を使った高価な還元装置や、金属を使った触媒がいらないというがマツダの売り。

ただし、DPF自体が嫌われる可能性が高いのだ。

 

一般人には、PMがどれくらい出ると駄目で、どれくらい少ないといいのかは、実感としてわからない。

そこに今回のVW不正の問題点もあるのだ。

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