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マツダがスカイアクティブXを開発した理由

ByRem York Maash Haas

8月 9, 2017
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ヨーロッパでピュア・ガソリンエンジンを廃止し、ハイブリッドやPHV、EVを中心にしていく流れが確実に進むなか、ピュア・ガソリンエンジンの最新技術であるHCCIエンジンを載せたマツダ・アクセラを発表するというNewsが登場した。
苦境の中での最新技術搭載車となるが、これはすべて、長期的に2025年のヨーロッパのエミッション・リダクションであるCO2排出量基準65g/kmを満たすためだ。
HCCIは第二世代スカイアクティブだが、第三世代でその基準を達成しようとしている。

今回のHCCIは2.0リットルのマツダ3の燃料消費量を3.5L/100km(28.5km/L)に減らし(25年までに欧州米で約3.8L/90キロ、23km/L)、CO2は2020年のヨーロッパ基準を満たす95g/kmに減らす。圧縮比はリーンバーンをするためにさらに高圧縮で、18対1を実現するものとみられている。
そして、実現の壁となるプレ・イグニッション(ノッキング)の対策もすでに完成の域に達していると予想されている。

HCCIでは50km/Lも実現すると言われていたから、ニュース記事の28.5km/Lではまだまだという感じが、2.0リットル(日本では廃止)は燃費19km/Lだったので、相当良くなったと考えることもできる。

ただ、次世代への心配がないプリウス(燃費40.8km/LでCO2は76g/km)に比べると心許ないと見ることもできる。

PHVやEVにすればエミッション・リダクション達成はできるが、売れなければ死活問題だ。

ガソリンやHVのように簡単に給油できなければユーザーは二の足を踏むが、欧州勢のHVは相変わらずで、低コストも実現できていない。欧州のピュア・ガソリン車の流れは、欧州勢を苦しめているのだ。

もし、プリウスが燃費50km/Lや、CO2排出65g/kmという高い目標を実現できたら素晴らしいし、将来HCCIが発売できなくなる国でこの高い目標を実現できたら、それも素晴らしい。

 

 

そもそも、なぜスカイアクティブという名前のエンジンが登場したのかというと、ガソリンエンジンによる低燃費を実現するためだ。そのために画期的な高圧縮比エンジンを完成させ、今のマツダのスカイアクティブガソリンエンジンも、14対1というバイク並の高圧縮比を実現している。

高圧縮のためにはさまざまな部品を追加するためエンジンは大きく高額になるが、これはすべて低燃費のため。

走りの良さや耐久性を追求したものではない。

最初に搭載されたのはデミオで、高負荷時に高圧縮比14になるミラーサイクルを実現した。

これはフォルクワーゲンを筆頭に各社が集ったダウンサイジングターボとはまったく違うNAエンジンだった。

当時はハイブリッドじゃないのに当時の基準で30.0km/L(今の基準で25kmあたり)を達成したとして話題になった。

なのに、14年登場のデミオのガソリン車では、その圧縮比14を採用しなかった。

採用しないということは、スカイアクティブの排気システムも採用しないということ。

要するにスカイアクティブじゃないのだ。圧縮比は12になった。

 

しかし、デミオは新しい1.5のディーゼル推しで、そこはまったく話題にならなかった。

排気ガス再循環装置も採用されなかった圧縮比12のガソリンエンジンは、なぜかアクセラやCX-5の圧縮比14のスカイアクティブと同様に、スカイアクティブGと命名された。

目標はトルクと馬力を上げつつ、燃費は前回の25に近づけること。

だが、結局は無理をせずに24あたりで留めた。

それによって、トルクと馬力は10パーセントアップしつつも、燃費もほどよく、安定感のあるエンジンが誕生したのだ。

このエンジンは2000~3000回転のレブがスムーズで、実に気持ちがいい。

吹き上げてもいいが、街乗りでも楽しいと言われるのはこのせいだ。

しかも、ディーゼルエンジンのような問題がなく、発売されてからもうすぐ3年になるが、安定感抜群だ。

 

圧縮比を高めるというのは、やはりリスクがある。

HCCIによってトルクや馬力、快適さ、楽しさがスポイルされないかどうか。

それが最も注目したいポイントなのだ。(後日マツダの発表でトルクアップが発表された)

 

HCCIはエポックメイキングでとても魅力的だ。しかし、今のデミオのノンスカイアクティブは絶対に残したほうがいい。

そして、スカイアクティブ第一世代のアクセラ等のGエンジンも安定感があるから残したほうがいい。

全部をHCCIに替えて、今のエンジンをやめるようなことだけはしないでほしい。

 

各報道ではフランクフルトでHCCIを発表し、東京モーターショウでアクセラを発表する。

プラットフォームは変わらず、CX-5のようにデザインを一新しフルモデルチェンジとする予定だ。

 

 

元記事

http://kuluma.jp/wp-admin/post.php?post=926&action=edit

参考記事

https://www.motoring.com.au/revolutionary-2018-mazda3-engine-design-details-soon-108315/

 

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