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74年生まれのマイ・オウン・マイ・プライベート・アイダホ。

ByRem York Maash Haas

11月 29, 2010
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1974年生まれの人間がたとえば美術系を志すと、自分の作品を追求して多感になるのが17や18のとき。
そのころに観ていた映画が、いろんな意味で影響を与える。

影響を与えすぎて、10年ぐらいその想いを封印したりする。けど、36歳ともなると、時々、あの映画たちがくれた雰囲気や匂いが甦るときがある。

映画を選ぶポイントは明確だ。
かっこよくなりたい。そして、かっこいい映画を観ている自分をかっこいいとしたい。
なので、かっこいい映画ばかり観る。

そうして、はまった映画が「マイ・プライベート・アイダホ」、おなじ監督(ガス・ヴァン・サント)の「ドラッグストア・カウボーイ」。
あまりにも繰り返し見過ぎて、べったりとそのころの記憶とリンクしてしまっている。

リバーもキアヌも、そしてマット・ディロンも、アウトローな彼らの毎日も、すべてがかっこよすぎて仕方なかった。

キアヌはグランジ・ファッションでパーティにあらわれ、「スピード」で成功する予兆はまったくなかった。
夜はニルヴァーナで頭をふっていた。

格好はリバーの真似をして、悪ぶって街で遊ぶのも、今想えば全部ガスヴァンサントの作品に憧れてだ。

もうひとつ、どうしても74年世代に影響を免れなかった作品がある。「ダウン・バイ・ロー」。

みんなジム・ジャームッシュの名作にいかれてしまった。
今観ても怖ろしくかっこいいし、せつない。
あのころに出会えた幸運が74年世代にはある。

大人になって、幸運にもジャームッシュと親交を持てる機会があった。
もう、嬉しいとかいうレベルじゃない。
死んでもいいくらいだ。

後悔はある。
彼がたばこ勧めてくれたけど、禁煙が成功したばかりで断った。
もらって、記念に持ち帰れば良かった。

まあでも、死んでもいい。

20代は、それらの映画を観ると当時が濃厚に甦りすぎて、まったく観ることができなかった。

今は観れる。
あの雰囲気を、もう一度存分に味わいたい。

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