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ガリア戦記に出てくる町ウェソンティオは実在するのか

ByRem York Maash Haas

5月 3, 2011
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ローマのカエサルはフランスのガリア人(ケルト)を征服するガリア戦記という本がありますが、その本に出てくる町ウェソンティオを探してみました。

カエサルがウェソンティオに向かった理由は、ゲルマン人のアリオウィストゥスという王と戦うため。
かつて、ガリア人同士の戦いでセークァーニー族が助けを求めたのがアリオウィストゥスでしたが、そのまま居座り、逆にセークァーニー族やまわりのガリア人を支配しました。ガリア人はその窮状をカエサルに説明し、カエサルはガリア人を助けようと、セークァーニー族の本拠地であるウェソンティオに向かうのでした。

ウェソンティオという町はVesontioと書き、調べてみるとブザンソン(Besancon)とも呼ばれ実在しているようです。
Googleマップで見てみると、ガリア戦記に書かれているのと同じ形をしたウェソンティオの町がありました。
パリから見るとスイス側にあり、スイス国境にも近い町です。

ガリア戦記によるとこの町は防御力が高く、コンパスをまわしたように川に囲まれ、囲まれてない部分は山があり、要塞となっています。

カエサルとアリオウィストゥスが町を奪い合った

アリオウィストゥスはこの町を奪おうと軍を出しましたが、カエサルも急ぎ、強行軍でカエサルが一足先にその町を奪いました。
しかし、ガリアの兵はやがてくるゲルマン人との決戦に怯え、逃げ出すものが続出します。
彼らはゲルマン人のあの恐ろしい目の光に耐えることができなかったそうです。
なので、おそらくガリア人は目が黒かったはずです。

数日後、町の東側のライン川近くの平野でカエサルとアリオウィストゥスは交渉を始めます。アリオウィストゥスは、「ライン川の向こうに帰れ」というカエサルに、「我々は呼ばれてやむなく渡ってきたのだ。その後、ガリア人が戦争を仕掛けてきたので打ち負かした。そしたら人質をさしだしてきた。我々は侵略しようとして来たのではない。ゲルマンの土地を守ろうとしてここにいるのであって、その証拠に我々から攻撃などしていない」と説明します。もっともです。

交渉は長引き、一触即発の状態で向かい合いますが、アリオウィストゥスはなかなか戦いません。カエサルが捕虜を捕まえて聞いてみると、「占いによって新月より前に戦っても勝つことがないと告げられたため」と言います。

しかし、カエサルが陣形を整えて威嚇するので、仕方なくアリオウィストゥスも陣形をひきます。
それぞれの部隊の後ろには女性がいて、泣きながら兵士に訴えます。「私をローマの奴隷にしないで」

戦いはカエサルのいた右翼で勝利し、ゲルマンの兵士は敗走。ライン川を泳いで逃げるものもあれば、ガリア兵に殺されるものもあり、アリオウィストゥスは小船で向こう岸に逃走しました。

ストリートビューで歩いてみると、古い石造りの建物が中心部に密集していて本当に美しい町です。避暑地としても有名。
住民はセークァーニー族の子孫が大半を占める可能性がありますが、ガリア人の風習、面影を少しでも残しているのでしょうか。

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