フィリピンの人々は英雄パッキャオの復活に誰もが期待し、12月9日はホリデーシーズンをさらに賑やかにしてくれるものだと信じていた。
相手は今まで何度も接戦を演じてきたライバル、マルケスだから、後半まで試合はもつれるかもしれない。とも予想されていた。
しかし、マジソン・スクエア・ガーデンでの試合は、6ラウンドで早々に終了してしまった。
倒れた瞬間、英雄はこのラウンドで立ち上がれないと、ライブ中継を見守るフィリピン国民は思ったに違いない。
マルケスが放ったのは腰を落とし、深く体を前傾させたカウンターの右。
パッキャオがいつも通り全身でふところに入ってくるところを左にかわし、そのまま全身の勢いとともに右をパッキャオの顔面にヒットさせた。
完璧だった。
パッキャオは6月にティモシー・ブラッドリーに判定負けでタイトルを失っている。
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