『最小限主義。』のボツになったコラム 「クルマ」

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『最小限主義。』のレビューはミニマル&イズムで紹介はしているのだけども、クルマとソラの話なのでMaashでもぜひ紹介したい。

「最小限主義。」を読んだみうさんの「Yoga&Simplelife」というブログのレビューに、感動した。

 

「最小限主義。」を読んで私が減らしたもの、そして得たもの。

http://www.yogasimplelife.com/2015/12/saisyougensyugi.html

 

この本のタイトル通り、ほんとにニッチでミニマルな、気づき。

「クルマは家の中にない、外にある」

ということから、空を見るための空間だと気づいた話。

クルマに興味がない人はもちろん、普段乗っている人でも「どうでもいい」と思うような話だ。

本にも書いてあるように、誰にでも平等に与えられる「空」自体、だから何なんだと思う人もたくさんいる。

 

でも、みうさんのように、本を読んでから自分とまったく同じ体験をしたという。

彼女が体験談として書いているように、私も「空を見る贅沢な箱だ」と気づいた瞬間、本当に目が覚めた感じだった。

クルマを乗ることの意味や価値もぐっとあがって、もっと好きになった。

 

みうさんは、雨降りだって楽しいと書いている。私もそう思う。

そこで、ページ数の関係からボツになった『最小限主義。』のコラムを紹介したい。

読んでほしいのは最後の雨空の部分だけども、そのためには最初の部分もどうしても必要なので残した。

書きながら最後のシーンを想像して、本当にそんな未来はいいなと思った。





 

 

コラム クルマ

 

私は今、馬鹿みたいにクルマ好きだ。

クルマという空間にいるときが、本当に幸せ。

そのクルマのインテリアが、変革期を迎えている。

ディスプレイの登場で、いろいろなボタンや計器が、いらなくなったのだ。

私の車であるデミオも、7インチのディスプレイで音楽や電話、ナビなどのほとんどの操作ができるため、インテリアはシンプル、質素。

計器はアナログだが、アウディやシトロエンはその計器もデジタル化してしまった。

だったら、クーラーも含めてすべてタッチパネル化して、スイッチ類をなくすこともできそうだ。

ただし、機会らしさを求めるユーザーに向けて、そういったスイッチ等をMINIなどではあえて残している。

各社コンセプトカーでも注目されるべきデザインが多く発表されている。最近ではプジョーのフラクタルというクルマが近未来的で、クルマ全体の素材を使って音を出したりする。

ライト等はイルミネーションだったりして、もう完全にデジタル世代の発想とセンスで考えられているのだ。

そうなると、もうスイッチとかは少ない。

いろいろと平面化したら、あとは外の風景を室内いっぱいに映し出してほしい。

 

(中略)

 

 

そんなクルマで、岬の突端にドライブしてみる。

エンジンを止めて、観賞モードのスイッチをオン。

室内のあらゆる壁が、外をそのまま映し出すディスプレイとなり、まるで外に椅子を置いたかのような気分になる。

外からは、中はそれほど見えない。

スイッチひとつで、持ってきた水は沸かせる。

エスプレッソを作るのも、簡単。

Tシャツだが、外は冬だ。たぶん、PHEVに似た電気自動車的機能があり、エンジンを止めても電気はふんだんに使える。

椅子は、リクライニングのように倒せる。

倒すと、屋根部分には空が見える。ディスプレイに映るクルマもあれば、ガラスになっていて、コマンドひとつで外が見えるようになる機能を備えたクルマもある。

そんな未来は、生きているうちにたどり着けるのか。

 

BMWのコンセプトカーではドアの内側はディスプレイになっているので、すでに開発者サイドの志向はそちらに向かっているようだ。

私としては、そんな未来のクルマがミニマリズムの幸福感としては最高点にあるかもしれない。

私が南の島の海辺に住んで、毎日海に入れるならいいが、東京に住んでいる状況からすると、そんなクルマで出かけたい。

 

私は空が見えると幸せだと、自分で思っているせいか、雨空でさえ最近は好きになってきた。

青い空が見られないなら、雨空は駄目だと最初は考えたし、だから曇り空の多いロンドンは憂鬱になるのだと考えた。

しかし、たとえば先ほどの未来のクルマで、椅子を倒して寝転がっているとする。

雨の日、クルマの中から空を眺めていると、灰色の空から、雨粒が落ちてくる。

クルマの屋根に雨粒は落ち続ける。

その風景は、飽きない。

今もクルマで雨の日に道ばたに停め、ウィンドウに当たり続ける雨粒を見ているだけで飽きない。これはカフェで、天窓や大きな窓に当たる雨でも同じだ。

晴れの日も雨の日も、秋の紅葉も雪でさえも、クルマを停めて、佇みたくなる。

ミニマリズムを追究したクルマは、人々に猛烈な幸福感を与えるかもしれない。

 

 

 

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