尖閣のことで熱くならないためのコラム
人が政治のことを書くと、いろいろな立場から人が読むので必ず賛同と反対が起きますが。
読むときに立ち位置を替え、違う側面から考えることで、賛成が簡単に反対になったりして、実は熱くなるほどでもありません。
今回の尖閣も、何が起こっているかは案外わかりづらいので、熱くならないように分析してみましょう。
あくまで推測ですが。
ある側面から見るために、
国際情勢を分析する田中宇さんの解説から読み解いてみます。
彼が言うには
「アメリカは中国の覇権拡大を容認している」
すでにそんな話は両国間でされていて、世界はアメリカや中国、他の何カ国で覇権を安定させようということです。日本は軍事力が使えないのだから、中国はもっと太平洋の方までどうぞということです。
「アメリカは日中対立を煽っている」
覇権拡大を約束しながら、それを反古にするように前原さんと外務省を煽って漁船を捕まえさせ、日中対立構造を作り上げました。
もちろん陰謀論的推測ですが、もし私がフランス人とかドイツ人だったらこんな風に思うでしょうか。
「アメリカは中国に覇権を握らせたいのかさせたくないのかどっちなんだ。板挟みの日本はとんだ被害者だ」
前原さんは尖閣を引き起こしたものの、日本の親中派の人々に猛抗議にあって船長を返さざるを得なくなって、菅さんにもつきはなされ…。
ここで、
日本の報道を一般的に解釈してみましょう。
・尖閣諸島周辺を突然中国の漁船が来て海保の船に体当たりしてきたので捕まえた。
・中国が圧力(抗議、レアアース制限、日本人の逮捕)をかけてきたので船長を帰した。
・返すべきじゃなかったんじゃないか的意見、敗北的意見の紹介
では、別の側面で解釈すると
・普段から100隻くらい中国の船が操業しているのを海保は追いかけ回すくらいだったけど、突然捕まえた。反中の前原さん、外務省、アメリカの仕業。漁船は中国が漁船に見せかけた攻撃用の船だったという説も。
・中国はてっきり覇権を拡大するつもりだったのに、日本に邪魔されて怒る。起こらないと軍部が怒るから。
・レアアースは日本は2年前から備蓄しているので、単に日本の親中派(財界)が騒いだという説も。菅さんは前原さん、外務省を無視して謝罪気味。外務省コメント「むなしい」
アメリカは何をしたかったのか。
混乱してきます。
対立させることによる安保強化か。
中国周辺の国を煽って、中国が覇権をつかむきっかけにするのか。(まさに今回のシナリオ。前原さんの失敗もシナリオ通り)
ここまでくると、「日本の対応が敗北的だ」的な意見は無意味だということがよくわかります。
なぜなら、最初から負けているからです。
でも、負けてていい。
なぜなら、
長期的戦略を練って世界支配を固めようとするのはいつも欧米のエスタブリッシュメント。
それを日本がやろうとすると、大失敗します。だから「二度としない」という賢さは持っているはずです。覇権なんて、まっぴらだと。
だから、視点を変えれば、アメリカに操られて、負けている限りは安泰なのかもしれないからです。
と、ここまで考えました。
これがある側面から考察したもの。
もちろん、マスコミが報道する通りの感じが事実がかもしれない。さすがにぶつけられては黙っていられないので、とりあえず捕まえたぞ、みたいな。シナリオの存在しないパターンですね。
しかしです。こうして側面を変えて考えると、あまり細かいことを詰めたり議論したり熱くなってもあまり意味がないことがわかります。話題になっているビデオを公開して、中国が悪い、と言ったところで痴話喧嘩です。
もっと大きく構えていたいものです。マスコミも含めて。
こうやって政治の話になると「傲慢なアメリカが嫌い」「中国が嫌い」という声が聞こえてきますが、私の場合、ニューヨークが大好きで上海が大好きなので、そこはまったく政治と切り離しています。
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