イメトレで絶対に合格する二輪(バイク)免許教習の秘密。
二輪の免許は18時間で取得できますが、卒検まではあっという間です。
シミュレーションと学科で4時間もとられ、オートマ教習も1時間あるので、実質13時間。
たった13時間で、たいていが理論的に把握をすることなく、なんとなく上手くいって合格したり、補習を受けて時間をかけて合格したりします。
いきなりCB400という大きな塊に乗るので、みな緊張と恐怖でこけまくります。
一方、筆者(レム)は若者たちとは環境が少々違います。
高校1年の誕生日の週にすぐ原付免許をとり、ガソリンスタンドのバイトで貯めたお金でMTX50という原付としては大きなモトクロスバイクを買います。
原付の免許は一日で取れますが、実習はスクーターに一瞬乗るだけ。
それでも怖かったのを覚えています。
ということは、ミッションのバイクを買った場合、いきなり公道というわけです。
二輪教習を受けていないのに、ミッションバイクを乗りこなさなくてはいけません。
不良は先輩から教われますが、自分には先輩でバイク乗りはいませんでした。
そうなると、Youtubeもインターネットもない時代、「本」に頼るしかありません。納車までの間(期間は覚えてません)、ひたすら部屋でイメトレです。
右手のスロットルを開けながら…クラッチを…。
そうして、家から数十キロも離れたバイク屋でバイクを受け取り、「ありがとうございましたー」と見送られながら、初のミッションバイクの運転を路上からするわけです。
しかし、イメトレを重ねた結果、緊張の発進もなんら問題なく、家までノーミスで帰ることができ、大きな自信になりました。
その後は、北海道じゅうの山の中に入っていっては野宿をするという高校生活。大好きだったバイクはそのまま東京までフェリーで運び4年ほど乗っていましたが、最後はバックパッカーの旅をして沖縄に辿りつき、クルマの免許をとってバイクは廃車になりました。
それ以来、バイクとは縁遠くなってしまいましたが、40歳ごろから友人と一緒に免許を取ろうということを話すようになったのにもかかわらず、ずるずると、5年も経ってしまいました。が、46歳になってこのままじゃいけないと、教習所に通いだしたというわけです。
教習初日のバイク体験は、まさに25年ぶり。
初日まで楽しみで仕方がないという感じでしたが、最初は「回転数を2000から3000くらいに上げて、クラッチを…」みたいな指導があり、一応いわれるままやってみましたが、多少ぎこちない。だって、回転数なんて気にして乗ったことないからです。結局「メーターみないで前を見て」と言われて、「だったらいつも通りやろう」ということで、懐かしの発進をスムーズに決めて「これだー」となりました。
全部からだが覚えていたのです。
そうして走り出すと、いろんなことを言われます。
「左のステップはクラッチレバーの上に出して!」
これは自分で乗ってきたクセなので、正直困りました。二速からニュートラルに入るの嫌ですよね。
「とまるときは二つ前くらいの線でクラッチを切って!」
そんなことまで指示されます。クラッチ切る場所なんてローギアかセカンドギアかで違うんだから、いちいち指定しないでほしいと思ったものです。
でも、教官の言うことは従おうと当然思ってますので、しっかり指示通りこなします。
外周もさっとスピードを出して、減速してというのを繰り返し、歓びを感じていると、一緒に始めた男の子ががくがく、うぉんうぉんやっています。
正直、いきなりこんなに走らせるってどうなの? という疑問しかありません。
教官は「イメトレは当然やってきてるよね」という態度です。
でも、たぶんその子はやってきてません。一方、もう一人の女の子は低速ながらしっかり走ってます。イメトレを確実にやっています。
そうして、50分はあっという間に経過し、男の子は補習となるのです。
この初回までにやっておくべきだったイメトレはなんなのかというと、「クラッチ切ってとまれ」です。
どんなバランス系のスポーツでもそうですが、止まり方を知らずにスピードは出せません。
止まり方に自信がないと、発進時にアクセルをまわすこともクラッチを繋げることも怖くてできません。なので、アクセルまわさずにクラッチひらいてがくがく、クラッチひらかないでアクセルまわしてぶおんぶおんになるのです。
はじめての発進は一速なので、普通はぐおんとスピードに乗せて、すぐにクラッチを切って、ゆっくりブレーキ(右手と右足を同時利用)で止まります。
スピードが落ちてエンジンが止まりそうなときも、とにかくクラッチを切ります。
「クラッチ切ってブレーキをすれば大丈夫です!」とはっきり言ってあげないと、あまりに可愛そう。
子どものころスキーを親から教わったときのこと。たしかにうちの親はスキーが得意。だから教え方がど下手でした。
止まり方をしっかり教えないので、とまれずに木に激突。少しスキーが嫌いになりました。その後独学で止まり方を研究し、スキーが大好きになりましたが、あの木にぶつかる感覚は一生忘れないし、恐怖感も忘れません。
初めてスクーターのアクセルを回したときの恐怖感もやっぱり覚えています。
とにかく、スピードが出るものは最初は怖いのです。
私は結局その後、バランス系にはまってウィンドサーフィン、サーフィンとやってきましたが、やはり最初のスピードは圧倒的に怖いです。
だからこそ、止まり方が大事なんです。
その上で発進です。発進は、アクセルをためらわずにゆっくり開ける、クラッチも同時にゆっくり開ける。それだけです。
どちらかをためらうと、ぐわんとなります。
もし左手をためらうと半クラで空回りして騒音になり、あまり進まないのでびっくりしてバランスを崩し、転倒します。
アクセル回してるのに! となるでしょう。
アクセルを回さないでクラッチをゆっくり話すと、教習車のCBは進むそうです。自分が乗っていたときのイメージだと、その場合はエンストという認識だったので驚きでした。パワーの差でしょうか。
というわけで、初日までのイメトレは、
・右手と左手の同時開放(恐れずに)
・クラッチを掴んでブレーキ(エンストを防げる)
この二つだけです。
教習二時限目
教習所によってやることは違いますが、私が通っていた教習所では1日目が1-a、二日目が2-aです。
卒検とは違う小さなコースを走ります。この日から2速に変えたり、スラローム的なカーブ(S字よりも急)を走ったりします。
2速はクラッチを切って、左足つま先でギアをでローギアからセカンドにあげます。ニュートラルにならないようにしっかり上に上げます。
アクセルを少しあけて、クラッチはまだゆっくりめに開きます。発進ほどではありません。
3速以降はクラッチはすぐ離しても大丈夫です。
「スピードにめりはりつけて!」と指示が飛びますが、この時点で生徒たちはスピードをあまりあげられません。
まだ恐怖感があります。
止まるときは2速3速の場合はクラッチを切らずにブレーキングを行い、とまる少し前でクラッチを切ります。エンジンブレーキも使えることが卒業の条件なので、はやいクラッチ切りはNGです。
しかし、1速ではブレーキより先にクラッチを切ります。
この辺が混乱を招くと思います。
この時間か、次の時間あたりから急角度カーブを走りはじめますが、カーブに入る前にしっかりフットブレーキで減速(自分でこれならいけると思うまで)します。
これを教官が指示しているのか、私には記憶にないです。
そして、ブレーキをかけつつ、向かう方向、行きたい方向を見ます。
教官からは、「どこどこの標識を見て」などといわれます。
そういうことを言われると、「やっつけですね」と私は思ってしまいます。
「そうやれば走れるようにはなりますが…」とツッコミを入れたくなります。
黙って私は聞いていましたが、どうして「行きたい方向を見る」のか、はっきりさせてほしいものです。私もたしかに、北海道の峠をヤマハFZR400の友人とよく走っていましたが、「カーブの見えなくなるあたりを見ろ」という本の指示に従って走っていました。
それがなぜなのか、今ならわかります。
どんなスポーツでも同じですが、人間は自分が横、縦に対してまっすぐなのか、何で判断すると思いますか。
それは、目と肩です。
部屋の中に立ってみてください。
自分の目の前の、少し離れたところにある目標物を設定して、見ます。
それに対して、バイクのハンドルを想定して構えてみてください。
簡単にまっすぐなハンドルにできるはずです。
次に、肩を動かさず、目線を45度右にずらします。その目標物に対して、まっすぐなハンドルを構えます。次に90度、次に135度。
だんだん難しくなりますが、なんとかできます。
でもたいていの人が、135度で肩も動いています。
次に、肩も一緒に動かします。腰を支点にしてぐっと体を持っていくと、より正確にハンドルを構えることができるのがわかります。
次に、前を見たまま90度をやってみてください。90度になったと思ったら、目で確認してください。角度がずれてませんか。
要するに、どこに向かって曲がりたいか、進みたいかという角度を決めるには、目線が必要になるのです。肩も一緒に向けるとより正確になります。その目線に従って、ハンドルの切れ角を決めるのです。
よく、バイクは倒れるとセルフステアリングでハンドルが曲がる方向に切れるといいますが、左に切れているのに左手を押して角度が右よりになると曲がりません。どちらかというと、倒れることで狙った角度にハンドルが切れやすくなるという感じです。まっすぐ走るストレートでは、セルフステアリングが効いてハンドルが切れないからです。
曲がるほうに見て、体を向けると、自然と外側の腕でハンドルを押す上体になります。傾けるのと同時にやることでそれが自然にできます。
だんだん曲がってくると、自分と目標物との角度が合ってきます。それに従い、ハンドルの角度もまっすぐに戻ってくるのです。
カーブでスピードに乗っていると、バンク角によって舵角は決まってくるので、スロットルを開けるとバイクが起き上がって舵角は目標点に向かなくなります。
ということは、カーブ中は目標点へのハンドルの角度をスロットルで決めていることになります。
なので、目標点を見つめながら、スロットルを緩めたり開いたりしているのです。
中型ではリーンウィズしか教えない?
と言われていますが、実際はさまざまなステアリングの技術が必要になってきます。
体とバイクの角度が一緒になるリーンウィズから、頭を残すリーンアウト、体をイン側に入れるリーンイン。
これは2日目あたりでしっかり頭に叩き込んで、理論武装しておいたほうがいいです。
二輪教習におけるリーンウィズ、リーンアウト、リーンインにはそれぞれ役割があります。
外周 リーンウィズ
スラローム リーンアウト
クランク、S字 リーンイン
外周はどんな方法でもいいのですが、リーンウィズを学ぶ唯一の場所という意味でリーンウィズです。
なぜリーンウィズをするかというと、人馬一体感が楽しいからです。
正しい姿勢とタイミングによるリーンウィズは、教習所の外周さえ楽園にします。
楽しいリーンウィズのやり方をイメトレしましょう。
まず、走っている途中でカーブを見つけたら、カーブが終わったあたりの目標点を見つけます。そして、カーブに入るまえに、一度息を吸って、バイクから体を浮かすようなアクションをします。(抜力)
そして息を吐きながら、頭の位置をバイクの角度をぴったりあわせるように、傾けていきます。
目線は目標点。もし上半身がリラックスしていたら、ハンドルは自然に切れます。
もしリラックスしていなかったら、あまり曲がれません。
このとき、教習所の中でももっとも重要な、ハンドル荷重についてイメトレしてください。
上半身の力を抜くと、肩が下がるような格好になります。いわゆる猫背です。
そしてハンドルを軽く握りますが、どのようにまっすぐを保つのかというと、真ん中の支点をテコに、右手と左手で少し押ながらバランスを取る感じです。
このように正しい荷重で操作していると、まっすぐでスピードが出ると、セルフステアリングで勝手にまっすぐになります。力が入っていると邪魔してしまいます。
これが低速になるとハンドルはふらふらします。なので、それぞれの手で少し押すことでまっすぐを保ってください。
次にスラロームのリーンアウトですが、一本橋もこれになります。
バイクの傾きに関係なく頭を残すことで、自分が倒れません。
前に進む推進力があれば、すぐにバイクが立ちます。
リーンインは、白バイなどがやるのですが、バイクをあまり倒したくないけど曲がりたい場合に使われます。
バイクは右に曲がろうとすると、左に倒れるような遠心力が働くので、少し右に倒してバランスを取ります。
でも、白バイはキャリアが大きいので倒せません。
なので、人自身が重りのようにバイクの内側に出るのです。
その分、バイクはあまり倒さずに曲がれます。
しかし、しっかりハンドルを切りながらやらないと意味がないので、上級テクニックになります。
これを使うのがクランクです。
使わなくてもクリアできますが、多くの人が苦労するのは、バランスを崩してしまうこと。
低速で曲がるというのが難しいのです。
低速で傾くと復帰も難しいし、ハンドルをしっかり切らないと曲がってくれない。
バイクはしっかり立たせたまま曲がりたい。
そのときに、リーンインです。
なぜかというと、バイクを直立させてハンドルを切ると、特性として反対側に倒れようとします(逆操舵)。なので、重しが必要なのです。
低速で押すハンドリングができていると、しっかりハンドルを切れます。
同時に、「見るハンドリング」で目的地がはっきりしていれば、しっかりとしたハンドルの角度を設定できるのです。
バイクは直立しているので倒れない。
なので切り抜けられます。
クランクはまだまだ先ですが、こういった特性をふまえた上で、まずはリーンウィズとリーンアウトにチャレンジしていくのが好ましいです。
三時限目
おそらく、どの教習所でも、スラロームははじまっているはずです。リーンアウトですね。
スラロームは右に左にと移動しますが、スタート地点とゴール地点は同じです。
だから、ゴール地点方面を見て頭を残していいのです。
頭を残すのはバランスの問題なので、残したまま近くを見るのは問題ありません。
コツは2速で入り、
・右から左に曲がる場合、コーンの少し手前右あたりまでフットブレーキで減速する。
・タンクをニーで挟んで、右膝を左に入れるようにして車体を倒す。
・同時に曲がる方向にハンドルをしっかり向ける。
・倒れてバイクが曲がったら、アクセルをぶおんと一回開く。(がくん という挙動になります)
・再びフットブレーキで減速
の繰り返しです。
ニーでの倒しこみを意識しなくても、スピードが落ちていればハンドリングでも倒しこみができるはずです。ニーで挟むのは下半身をホールドすることで上半身がリラックスできるからです。
アクセルを開くのは、直立させるためです。スピード稼ぎのためではありません。教官は「これで時間がクリアできる」と言います。気にしないでください。私はしっかり聞き流しました。自分が安全に運転できる技術を身につけるためには、クリアタイムなんてどうでもいいのです。私は計ってもらったことはありません。
次はシミュレーション。この時間を無駄に感じるかもしれませんが、目線とハンドリングの関係性を試すには絶好の機会です。たぶん、ゲームをやっている人には余裕です。
5時限目は私の教習所では一本橋がありました。
もしストレートで合格する場合、一本橋の適格な指導は受けられません。
教官は、ある程度うまくこなしている人には細かい指導はしません。
「クラッチゆらゆらしすぎだよ〜」「フットブレーキなんて使ってんじゃないよ」
と嫌味は言われます。
一本橋も、もっと事前に情報を仕入れておけば良かったと自分は後悔しています。
事前に情報を仕入れ、イメトレすべき内容とはこれです。
まず、一本橋の目標
・一本橋は、低速でまっすぐ走るための技術を習得するもの
もの凄く当たり前のことですが、教官ははっきり教えてくれません。
私が最初に言われたのは、「ハンドルをふらふらさせて、まっすぐ前を見てやってみてください」でした。
振り返ってみると確かにそうなんですが、理論的にまったく理解できないまま、チャレンジすることになります。
低速になると、ハンドルはそもそもふらふらします。その状態でも「まっすぐ走り、なおかつ右に左に傾かず、傾いたとしても低速の安定した推進力で復帰する」
という練習です。
そのために、極低速半クラというのを一速で作り、同じペースで最後まで乗り切ります。
この半クラが上手くいけば、基本的にはバランスは崩さないのですが、人によります。
たとえば、前に出てきたリラックスした状態での押すハンドリングと、目線によってまっすぐにするハンドリング。これがニーグリップによって出来ている人は、もうクリアしたようなものです。
特に、「目線がハンドリングの角度を決める」という仕組みを知っているなら、その時点でほぼ落ちません。
しかし、知らない人は、がっちりハンドルを両腕でコントロールしようとして、目線も近くを見るので角度どころじゃありません。落ちます。
また、半クラがうまくつくれない、フットブレーキを多用するといったスピードの加減速が激しい乗り方も落ちます。
一段階のみきわめまで、オートマ教習を覗けばあと一時間。みきわめの前までに一本橋を完璧にする人はあまりいませんが、このイメトレをやればもしかしたらできるかもしれません。
「ハンドルをふらふらにする」は結果的にリラックスさせ、押しハンドルを実現します。余裕が出ると後半は小さなスラロームのように走れます。
ここで、他のテクニックなどを読んで迷わないために、注意事項を書いておきます。
・逆操舵による倒れ込み対策はしないこと(オススメしている人が多い)
・20秒や1分を競う白バイの平均台は違うテクニックなので気にしないこと
一定速度の進入と目線によるハンドル保持の仕方を理解すれば、落ちるほうが難しくなります。
うちは鬼の半クラで!
とうちの教習所の教官は言っていますが、どのYoutubeにもブログにも出てきません。同じ言葉を使っていても、内容が違います。
教習所の先生が言っている鬼の半クラは、クラッチを繋ぐか繋がないかのところでとめて、アクセルの回転数を上げることで、低速ながらしっかり倒れず進む状態を作るもの。すっとクラッチ板が滑って、もの凄い騒音になるので、公道では使えません。
これは発進がだんだんスムーズになってくると、難しくなってきます。
なぜなら、発進においては失敗のパターンだからです。なので、意図的に作らないとできません。
なので、他の教習所の多くの人は普通に平均台に乗ります。
そのあとに半クラにしたり、フットブレーキを使うのが多いようです。
鬼の半クラの場合は、ずっと低速で倒れず、時間もたっぷり稼げます。
ずっと安定しているので、心に余裕も生まれます。
ポイントは、馬鹿みたいに五月蝿いことです。教習所によっては禁止されているかもしれません。
まあ、鬼の半クラでも普通の半クラでも、前に進む力があれば、あとは目線やハンドリングでクリアできます。
右や左に傾いたとしても、頭を残すリーンアウトができれば、復活します。
その際、ハンドルの角度は目標点を見つめるわけなので、少し内側になるはずです。
個人的な考えでいうと、低速はあくまで条件です。低速になるとバランスを取るのが難しいので、意図的にそのシチュエーションを作り出し、それでもハンドルをまっすぐに保つ技術を習得します。
なので、一番優先すべきは目線とハンドルの角度です。それを実現するための上半身リラックス、押しハンドルです。後傾になるとハンドルとの距離ができて余裕のある押しハンドルができなくなるので気をつけてください。
ここまで、しっかり理論を叩き込めば、一段階みきわめはクリアできるはずです。
二段階の実習は6時間ですが、途中で回避やブレーキ体験といったものも入ってきます。
コースを覚えて(イメトレで)、「ウィンカー消し忘れた!」とやってるとあっという間に片方のコースは終わります。
うちの教習所では、aコースで2時間、回避などの体験で1時間(スラロームや急制動、一本橋含む)、最後にdという別コースで3時間です。
なので、コースを覚えるのと同時に一本橋やスラロームをやってると、いつの間にか終わってしまいます。
ミスがなければないで、不安のまま卒検を迎えることになります。
でも、理論武装していれば大丈夫です。
たとえば、90度のコーナーを低速で、沿うように曲がるという箇所があるはずですが、これは1速半クラでリーンアウトです。バイクを傾けず、リラックスしたハンドリングでしっかり舵角をつけて曲がります。後ほど詳しく述べます。
この方法はクランクと同じです。
S字はクランクほど厳しくないので、必ずしも2速半クラにしなくてもいいですが、安定を求めるなら半クラです。クランクよりスピードは出せるので、リーンウィズでもアウトでもクリアできます。
練習でのポイントは、「ハンドルが曲がればいいのだ」ということです。
何も考えていないと、ハンドルの舵角はとれません。
しっかり切るぞと思ってはじめて、目線が効いてきます。それでも切れないなら、頭入れようとか、倒そうとか、試そうと思えるわけです。
結果的に切れれば曲がります。
傾ければ「曲がる」に囚われない
バイクのテクニックや曲がるコツで出てくるのが、「バイクは傾けるとセルフステアリングでハンドルが切れる」というもの。
これは確かにその通りですが、クランクや90度低速カーブでは関係ありません。
なので、この言葉に囚われていると、クランクは失敗します。
もう一度クランクについて考えると、バイクを立てたまま、傾けずに曲がります。
クランクは目標点が1、2、3と変わっていきますが、頭を向け、肩が向くことで重心がイン側に入るので、軽いリーンインになります。
それだけで、ハンドルは切れるはずです。
ただし、体格の問題でハンドルが遠い場合は、しっかり体を前に倒して、右に曲がる場合は左腕を伸ばしながら押せる状態にしなくてはなりません。
腕に遊びができることで、低速でもしっかりハンドルが切れて狙った舵角を取れるようになります。
体格がいい人は余裕があって体を立てているかもしれませんが、低速では頭の位置が高いと不安定になります。少し顔向けるだけでもバイクがより傾きやすくなります。なので、前に落とすのは有効です。
もう一度言いますが、クランクではハンドルが切れるかどうか、車体を直立させられるかどうかがキモになるので、狙った角度に曲がれるのであれば、頭をそのままに目線だけにしてもいいし、狙えないならもう少し体を入れてもいいし、それは個人差というところになります。
ちなみに、私はこのクランクにおけるハンドルの舵角を取る方法について、一切教官からは教わらず、最後のみきわめまでノーミスで来て、本当の最後の最後で2速からニュートラルに入ってしまい、コーンを倒しました。
そうなるともう、卒検まで不安しか残らなくなるので気をつけましょう。
個人的には、バランスを取ろうとすると、人は上体を起こしがちなんではないかという疑問がまだ残っています。前屈みになりづらいと、ハンドルも切れなくなり、安定性もなくなるので、そこは全教習生の課題かもしれません。
何度も何度もイメトレしてください。
大型と中型の違い
それは、排気量ではありません。
いつでも練習できるか否かです。
すべてではありませんが、250ccや400ccのバイクを持っている場合は、課題の克服のために練習ができます。
しかし、バイクを持っていない中型(原付ミッションを持っている人は別)免許に挑戦している人は、教習中、外で練習が一切できません。
だからこそ、イメトレと理論武装しかありません。
予習しないで望むと、簡単に補習コースです。
大型はアイドリングのクラッチ開きでもちゃんと進むし、ちょっとスロットル開ければすぐ直立するし、中型よりイージーな面もあるのです。
中型でいろいろ慣れている分、各課題の取り組みに対して余裕を持って挑めますし、内容も知っているので、より深く探究できます。
一方中型は、基本的に初めてのことばかりです。
そして自由に練習ができない。しようと思っても、課題に追われてあっという間に卒検です。
大型で役に立つ教習所のテクニックは、中型では必要ない場合が多いです。たとえば、中型の一本橋で10秒を狙うと、本来の意図から外れてしまいます。
このブログに中型の体験を書き残そうと思ったのは、「初めてバイクに乗る人がストレートで合格した」という記事を読むたびに、「なんとなく合格してしまった」感が失礼ながら否めないからです。
大型での記録を残していても、中型でなんとなく過ごしてしまったことを忘れて、「中型のときにすべきだったこと」をあまり振り返らなくなるかもしれません。
バイクに乗るのがはじめてで、多少間違った理論構築だったとしても、自分なりの課題を作って各時間を過ごしたほうが絶対にいいです。中型には中型なりの初歩的な理論があります。そして、教官は議論相手にはなってくれません。
今回はこれを試してみよう。駄目だった、じゃあ次はこれで。という感じで記録に残していくことをオススメします。感覚で乗り切るのもありですが、しっかり把握していくほうが公道では安全です。
坂道発進、急制動、S字についてはほとんどふれていませんが、はっきり言えばそれほど難しい技術ではありません。
中型で難しいのは一本橋、クランク、90度カーブ、スラロームです。
そのための低速走行を実現するものとして半クラ、目線という感じです。
この記事を読んで中型免許に望めば、絶対に役に立ちます。
特に、目線とハンドル角度の関係についてはお役立ち度100パーセントです。
他の人は「目線が大事だから」しか言ってくれません。
「なんで大事なの?」と質問しても、気持ちのいい答えは返ってきません。
また、「ハンドルの舵角を得るためにさまざまなことをするのがバイクである」というのもこの記事の主旨です。でもバイクは感覚的になんとなく曲がるので、なんとなく卒業してしまいます。ほんとに何も考えなくても、リーンウィズでちゃんと曲がれます。
でも、「傾くとハンドルが切れる」ではなくて、「切りたいから傾ける」と思うことで、本来の主旨からぶれずに済みます。おそらく、そう思うことでカーブ進入時に積極的な前傾になるはずです。すると、とにかく楽しくなります。
中型免許はここに書いてあることを実践すれば、絶対に受かります。
でもなにより、卒検以上に得るものがあります。それを教習中に得ることができるのです。
おわり。
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