ますます孤立化する北アイルランドのロイヤリスト。 北アイルランド英国旗掲揚問題
ベルファストの暴動の原因についてCNNのニック・ロバートソンが説明している。
暴動は英国・北アイルランドのベルファストで起こった。
原因は、市庁舎での英国旗掲揚を年17日に制限すると決めたことに対し、イギリス側のプロテスタント系市民が抗議。
12月3日の市議会の決定から抗議は始まり、日曜日に暴動はピークに達した。これまでに警官64人以上(BBC)が負傷している。
ベルファストの暴動といえば、どうしてもリパブリカン(カソリック系市民、アイルランド側)の不満から起こることが多い。
それが、今回はロイヤリスト(英連合を守るプロテスタント系過激派)から起こった。
各報道を見る限り、プロテスタント系市民は冷ややかに身内であるロイヤリストの行動を見ているというものと、プロテスタント系市民も大勢参加しているという二つの意見があり、真相は定かではない。
ベルファストは現在要塞のようになっていて、警察はランドローバーを20台以上と、多くの機動隊を配備しているという。
BBCによると、「国旗掲揚を戻せば抗議はやめる」と市民は主張しているが、そうなる可能性はほとんどない。
多数派だったプロテスタントは人口が減り、議会もカソリックが多数派となっている以上、市議会が決定を覆すことはないからだ。
ロンドンのCNNの報道からすると、「それはただの国旗じゃないのか」という空気だが、ロイヤリストにとってはそうではないという。
長年パブリカンと争ってきたロイヤリストにとっては、英国本土よりも強く忠実に英連合への依存度が高い。
その空気感の「ずれ」は、各地で表面化している。
元々、この北アイルランドに渡ってきたのは、スコットランド系住民が多かったという。
そのスコットランドは連合からの独立を目指す動きが盛り上がっていて、北アイルランドのロイヤリストとは考え方がまるで違っている。
そのため、スコットランド系住民が、ロイヤリストの考え方に共感することはない。
キャメロン首相もロイヤリストに対し、「英国に忠実だとはいえない」と彼らを批難。北アイルランド議会の決定を尊重した。
今までは世界がカソリック系住民に同情的だった。
支配者だったプロテスタントに二級市民にされていた歴史があったからだ。
ロイヤリストは唯一の見方である英連合を頼りにしていたが、その政治的首長であるキャメロンにも見放されてしまった。
時代は変わった。としかいうよりない。
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