放射能漏れを深刻に捉え始めた米メディア オリンピックへの影響も。

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アメリカのメディアが、フクシマの放射能漏れについて大きく時間を取り始めた。

米放送局PBSは、日本政府が放射能漏れ対策に取り組み始めたことを報じたが、冒頭に「悪いニュース」としてこのニュースを紹介した。

「除染作業は今もまったく進んでおらず、それどころか数百万トンの汚染水を入れたタンクから水が漏れだしている。現地ではその対応に追われている。運営する東京電力の信頼感が薄れる中、安倍総理大臣が政府としての対策を打ち出した」

と解説し、その後、そもそもの問題の経緯を紹介。

「急いでタンクを作ったが、それでも追いつかない状況」と説明した。

 

原子炉建屋から土壌への汚染水漏れについても詳しく説明している。

専門家はインタビューで「問題は凍土壁が適切な場所にしっかり建設されるかどうか。壁は漏水箇所ではないところに作られる可能性もある」と答えた。

 

さらに解説で「今回の政府発表は、オリンピック招致に向けて日本のイメージを改善しようとしたとの見方もある」と、痛いところを指摘した。

 

次に、スタジオに核融合の専門家であるアージャン・マキジャニを招き、スタンフォード大学の日本研究専門家クシダ・ケンジも加えて今の現況について議論を交わした。

 

マキジャニ「前回ここでお話しした汚染水の放射線量は、作業員の年間被曝限界量を12分で超えるという量だった。しかし、最新の報告では、別のタンクからの漏れにより、1時間あたり1800ミリシーベルト(1.8シーベルト)という非常に高い値。数時間で死ぬ量だ。この値からすると、作業員にとっても東電にとっても深刻な問題であることは間違いない」

 

インタビュアー「これはちょうど見つかったということですか。突然見つかったというのはどういうことでしょう」

マキジャニ「混乱した情報が多く、最初は100ミリシーベルトまでしか計測できない機器が使われていた。今は計測を重ね、他に汚染箇所や漏れ箇所があることがわかったようだ。東京電力がいつ知ったかは明らかではない。政府はもう歯止めが効かないと不安を感じている」

 

インタビュアー「クシダさん、今の件についてお願いします」

クシダ「政府の介入は、三年後の選挙でこの件が問われることは間違いないからだ。自民党は事実上原発賛成派ながら、圧勝した。そのため、汚染水問題で東電が対応できないとみるや、出てきたというわけです」

インタビュアー「外から見ていると、ずいぶん長い時間がかかっているようです。汚染レベルを理解することにしても。他にもっと重要な作業があるはずです。日本国内の感覚はどうですか」

クシダ「東電に対する信頼は史上最低レベルに達している。東電は事実上国有化され、対策は改善されると国民は期待していたが、その前、予算がないときに貯蔵タンクは作られ、溶接ではなく、ボルトによって建設された。契約業者から漏れた情報によると、彼らは中長期的に汚染水が漏れることはわかっていました。そこで、「東電は対応できない」と国民は不安に駆られたのです」

インタビュアー「マキジャニさん、氷の壁という不思議なものについて質問してください」

マキジャニ「このような形の凍土壁が試されたことがあるのかは私も知らない。土壌に流した水を凍らせて壁を作るというものだ。巨大な凍結設備で、大量の電力で壁を凍らせる。しかし、最終的にはダムのようになり、水は海に流れ出る。今までは化学物質でやろうとしたが、結局、1日300トンの汚染水が流出している状況だ」

 

インタビュアー「実験ということでしょうか」

マキジャニ「実験だ。リスキーな実験と思う。もし電力が失わられれば、冷蔵庫が停電したような状況になる。氷が突然溶ければ、堰き止められた膨大な汚染水はどうなるのか。また、貯蔵タンクも地震が起きると危険だ」

 

インタビュアー「クシダさん、廃炉には何十年もかかると言われていますが」

クシダ「40年かかると言われています。大規模で革新的な技術で凍土壁を作ることはいいことです。しかし、大規模災害に対応するには、いくつかの選択肢を用意したほうが国民は安心すると思います。成功するかわからない場当たり的な対策を次々とやるよりは、国民は安心すると思います」

インタビュアー「政府は何十年というプランの意思がないのでしょうか」

クシダ「政府は原発賛成派です。選挙は3年も先です。何でもやっておこうといって、窮地に追い込まれるのは避けたいと思っています。しかし、簡単で技術的な解決策があるわけではない。また、国民はもっと迅速な対応が必要だったと考えている」

 

インタビュアー「どうもありがとうございました」

 

ちなみに、1.8シーベルトはどの程度の量か。

この原発問題が発生する前、原発作業員の総被曝量と死の関係が問題になっていたが、だいたい70ミリシーベルトから100シーベルトで病気になり、亡くなった人もいた。(それでも限界量ではない。問題のない人もいる)

なので、1800ミリシーベルトとなると、3分で人によっては病気になるということになる。

東海村JOCは9シーベルトという意見や、16シーベルト以上という意見がある。

いずれにしろ、5時間ほどで同程度の被曝量になる。

 

また、インタビュー中、東京電力の呼び名は「テプコ」となっていた。TOKYOという言葉は出てこない。

 

 

 

 

 

 

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