コンセプトテーマは「ソラとクーキ」で。
去年、鎌倉で伊藤久美子の撮影があり、午後に海で撮影をした。
私が夕陽をテーマにしたのは年末だから、由比ヶ浜が西を向いていないかどうかなど、気にしていないころ。
たしかにここは、夕陽ギリギリまでの美しさは保てないかもしれないが、午後の長い間、傾いた陽のおかげで、もやっとする。
空気が見える感じだ。
写真を撮っても、とにかく素晴らしい。
最近、ミニマル&イズムでの考察の中で、「空」を見ること、「空」の下にいることが本質的なのだと考えている。
空の中に、太陽、夕陽、朝日、オーロラ、月、星、雲がある。
「空」が素晴らしいと考えると、合点がいくことが多い。
私が子供のころ、山が見える場所に住んでいて、いつも美しい夕陽を見ていたこと。
建物に閉じこもり絵ばかり描いていて行き詰まり、沖縄の久米島に行ってサーフボードの上でのんびりしていたら、精神的に強力な回復をみせたこと。
《夜と霧》のエピソード、夕陽の見えないオフィスにいると息が詰まること、ヨーロッパの外のカフェが気持ちいいこと。
ピクニックが楽しいこと。
車が楽しいこと。
ベランダで過ごすことが楽しいこと。
武蔵美の近くにある珍兵衛という居酒屋で、若い頃お世話になった。
今でも、マスターの奥さんである「ママ」と付き合いがあるが、ママが久米島に遊びに来たときに、ずっと記憶に残っている風景がある。
北側の道路(海沿いだが、高い場所にある)を夕方走っていて、海が夕陽で染まっていたこと。
記憶に残っているのは、遠く空から、自分たちを見ているような風景だ。
実際はそんな風に見えているわけではないのだが、それが強烈な幸せな風景と記憶である。
クロアチアのアドリア海との付き合いが長くなり、去年の終わりから、西に海があること、西日を浴びる街並みが美しいことに感銘し、コンテンツ制作や自分の毎日に取り入れるようにしている。
西に海があることは最も素晴らしいが、すべての人には与えられない。
しかし、「空」なら、牢屋以外の人に平等に与えられている。
見ないだけで、見上げるとあるのだ。
同様に、月も世界中平等に与えられている。
「空が素晴らしい」とは、あまりに当たり前すぎて、誰もが知っていることで、何の新鮮味も刺激もない。
しかし、人間として生きることの本質として、ぶれることのない軸なのだと感じている。
「ソラ(空)とクーキ(空気)」が、私たちを幸せにするのだ。
今後のコンテンツ展開は、「ソラとクーキ」で行こうと思う。
インスタでも空の写真を載せる。
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