母国語は「終わらない連想的ゲーム」

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ネイティブのように考え、ネイティブのように話す。

英会話学習をしている人なら、親の小言のように何度も耳にしているはず。

でも、実際に実践している人は少ない。

大抵の人は、頭の中で一文を考えてから、一気に言う、あの抑揚のない日本人英語だ。

 

どうして出来ないかというと、原因はいろいろある。

まず、

「自分が言う英語が完成していないのに、言葉を出せない」

ということ。でも日本語も英語も、言葉は話しながら考えるのが普通だ。

次に、「英語の順番で考えるということが、あまりにも日本語の順と違いすぎる」ということ。

この違いの大きさに、多くの人が気づいていない。

 

どの言語も、実は連想ゲームのようなものなのだ。

今、言った言葉に対して、次の言葉を考える。

この繰り返しだ。それが慣れてくると、もの凄いスピードになってくる。

でも幼児が最初に話すのは、一語一語ゆっくりと、次の言葉を考えていく話し方だ。最初に文章を完成させたりはしない。

 

I と自分のことをイメージして、Want toという「したい」という気持ちをしっかり考え、すると次の言葉が連想ゲームのように選択されていく。sing a song.

「そんなふうにまどろっこしく考えなくても、すぐにI want to sing a songと言えるよ」

と多くの人が言う。

しかし、それは実際には心のこもっていない、ただの暗記文だ。

実際の思考や会話では、一語一語出しながら次の言葉を連想していく。

 

私は子どもとよく連想ゲームをやる。

Yellow reminds me of ….と、お互いに連想するものを言っていく。

これと同じで、会話の中での言葉の次には、その言葉から連想されることを言うことができる。

数珠つなぎに、永遠に繋げることができるのだ。

 

そして、I のあとにwant toと考え、その次にsingと考えるのは、英語の思考順序だ。

日本語とは明らかに違う。

一語一語をかみしめて、次の言葉を連想させていけば、それは完全に英語母国語の思考回路になっている。

一文を頭の中で考えてから口に出すのとでは、まったく違うのだ。

 

「反射的に言葉を出す」というのは、いろいろ口に出しながら、次の言葉を出していくということで、この連想的やり方が反射的に言葉を出す手助けになる。

反射的なのは、「何が口から出るかわからないから恥ずかしい」と思うかもしれないが、きっかけは常にあるのだ。

 

 

かといって、実践は難しい理由

 

これを実践するための一番簡単な方法は、「ゆっくり話す」だ。

一言一言噛みしめるように言って、スロウであれば連想する時間にも余裕がある。

それを繰り返して、やがてスピードはどんどん上がっていく。

しかし、日本人学習者同士でそんなことはできない。恥ずかしいからだ。

幼稚だし、馬鹿みたい。

かといって、ネイティブにゆっくり話すのも馬鹿にしてるようだ。

 

だから、日本人は永遠に英語は母国語のようにならない…。

 

なんてことはない。

ゆっくり話せばいいのだ。臆せずに、人前でも、頭の中の思考でも。

この、一言一言かみしめる連想的な方法はどの言語でも一緒で、リスニングもリーディングも同じ。

聞くときは一言一言だけをただ聴く。

本を読むときは一文読んでから訳すのではなく、一言一言を噛みしめ、次の言葉を繋げていく。

そのまま、日本語に訳さずに理解をしていく。

 

最初は難しいが、繰り返すことで何か違った思考法に脳の回路が変化していく。

その変化する自分を必ず実感できる。

 

小さな子どもがどこの国でも言葉を話せるようになるのは、この連想的発想だからだ。

一言発した言葉の次を連想するだけ。

その繰り返しだから、簡単なのだ。

 

 

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