「イタリア系アメリカ人」がなくなる?

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New York’s Little Italy, Littler by the Year

写真はニューヨークタイムズが公開した1974年のモットストリート。
モットストリートとは、ニューヨークのイタリア人街、リトルイタリーの通りです。
記事によると、1950年にはリトルイタリーには1万人以上のイタリア系アメリカ人が住んでいました。
狭い路地には家族や子供の姿。
ここで生まれたイタリア系の子供たちがここで育っていました。

2000年の国税調査では、全アメリカのイタリア系アメリカ人の人口は6パーセントと減少しました。
同様に、マンハッタンでのイタリア系アメリカ人の人口も減っています。
調査では、マンハッタンにイタリアで生まれたイタリア人の独身居住者はまったくいなかったそうです。

リトルイタリーは南からチャイナタウンの拡大を受け、北はノース・オブ・リトル・イタリー、ノリータという呼び名が定着。
リトルイタリーと呼ばれるエリアは、本当に小さくなり、レストランの並ぶ観光地として生きながらえています。

そうしたチャイナタウンの拡大が、かつてのリトルイタリーの風景を破壊するため、昨年、ナショナルパークサービスが、チャイナタウンとリトルイタリーを歴史的地区としてエリアの指定を始めました。

どうしてリトル・イタリーは小さくなっていくのか。
それは、イタリア人がアメリカ人として生きている証拠です。
かつてリトル・イタリーにいたイタリア人は裕福になると、クイーンズ、ニュージャージーという郊外に引っ越し、中国人に家を売ってきました。

アパートは古く狭いので、広くて新しい自分の家が欲しかったのかもしれません。

「イタリア系」と呼ぶには、常に本国から移民がその安いエリアに訪れ、住む必要があります。
移民はこう思います。
そのエリアなら、英語が苦手でも大丈夫。
「イタリア系」と呼ばれても平気。

しかし、今のイタリアは昔ほど経済に困窮し、移民をせざるを得ない状況にはなく、ある程度貧しくてもイタリアで暮らす人が大半です。

一方、勢いのある中国はまだまだ本国からチャイナタウンに人が流れていて、拡大の一途。

アメリカ人として生きるなら、住む場所は自由です。
日本人が家を買うのにエリアを自由に選択するのと同様、かつてのイタリア系も今、アメリカ人として住む場所を自由に選択しています。
かつての「イタリア系」は、「アメリカ人」としてあらゆる場所に、モザイク状に、自由に住んでいくのです。

ニューヨークは数多くの移民によって成長したため、それぞれのエリアがそれぞれの国の人々で集まり、文化圏を形成。
それが魅力のひとつとなっています。
今、ヨーロッパは中東やアジア、アフリカからの移民の向かう場所になっていて、ヨーロッパからニューヨークへの移民の流れは完全にストップ。
「○○人街」はどんどん消えていく運命にあります。

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