キングス・クロス駅の悲劇を忘れない。
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ロンドンの地下鉄キングスクロス駅には、不幸な記憶が詰まっている。
ロンドン市民なら忘れもしない、地下鉄内の大火災事故だ。
1987年11月18日、キングスクロス・セントパンクラス駅で発生した火災はパニックを引き起こし、多くの乗客を地下に閉じ込めた。
死者は31名、60人以上が負傷するという惨事となった。
その悲劇を記憶する一つのツールとして、被害者の一人、Kwasi Afari Mintaという顔面を火傷した男性の写真がある。
今から25年前、彼は夕方のラッシュアワー時に家に帰る途中だった。
火事が起こり、黒煙でまわりの視界は遮断された。
彼はエスカレーターをのぼりきったところで、巨大な火の玉に襲われたという。
パニックで悲鳴が響くチューブ内で、必死に出口を探したが、強力な熱によってまぶたは焼け、唇が腫れあがった。
ひたすらに奇跡を願った彼は、幸運にも助け出された。
彼は6ヶ月を病院で過ごし、火災でただれた顔を治療。
治療用のマスクをした彼の姿が当時公開された。
火災の原因は、たばこかマッチの火が、木製エスカレータの下で延焼。
当時は喫煙が禁止される前で、木製エスカレータも各駅で使用されていた。
1800年代に開業した世界でも最も古い地下鉄のひとつだったことが、近代化を遅らせていた。
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