100年以上を経て復活した「ジョージ」という名前
当然、英メディアは命名について文句をつけることなく、Maashの記事のような、「ドイツ系王室を意識したもの」という論調はない。
そこでひとつ、デイリーメールの名前についての記事を紹介しよう。
記事内容は以下の通り。
・1952年に死んだジョージ6世。ウィリアムとケイトは、自分たちの息子の名前が、彼にちなんだものではないと主張している。
・ジョージという言葉の由来は、古代ギリシャ語のfarmer(農民) もしくはearth worker(大地で働く人)の意味(※ウィリアムとケイトの主張ではない)
・ジョージはイギリスで12番目に人気のある名前
・2011年には4300人以上のジョージくんが誕生した
・ルイは、叔父のマウントバッテン卿から
・名前にアレクサンダーを含めることは、スコットランドの人々を喜ばせる意味があるかもしれない(スコットランドの王アレクサンダー3世が人気)
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気になるのは、ジョージ6世にちなんだものではないという部分だ。
二人の主張では、単にその名前の響きが好きだったからだという。
記事では、最初の王ジョージは1714年に王位を取り、以来、その名前は英国の王冠と同じ意味を持つと書いている。
「以来、6人のジョージが1952年まで大英帝国を支配してきた」 という。
王室はドイツとの戦争で1917年、「我らが祖母たるヴィクトリア女王の、イギリス系の全男系子孫は、ただちにすべてのドイツの称号と栄誉とを放棄」と宣言。
王室の名前をウィンザーと改めた。
しかし、ハノーヴァー朝を象徴するジョージという名前は、ジョージ5世の次男が受け継ぐ。そして、兄のエドワード8世の退位により、ジョージ5世が誕生した。
しかし、彼が生まれたときの名はアルバートだった。
となると、1865年に生まれたジョージ5世が誕生時に命名されたジョージの最後になる。
世紀を超え、まさに100年以上の時を経て、ジョージが復活したのだ。
ヴィクトリア命名でも騒動に
ヴィクトリア女王の父はケント公エドワードだが、彼が娘を命名する際は一騒動あった。
彼は娘にジョージにちなんだジョージアナとつけたかったが、当時の皇太子ジョージ(後のジョージ4世)が反対。
そしてジョージは、当時のロシア皇帝アレクサンドルの女性名であるアレクサンドリナと提案。ケント公はエリザベスを加えるよう訴えたが、拒否される。
最終的にミドルネームは、ドイツ出身の母の名であるヴィクトリアになった。
つまり、ロシア名とドイツ名が並ぶという、イギリス人には馴染みのない名前「アレクサンドリナ・ヴィクトリア」となったのだった。
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