ダイアナが生きていたら、ジョージの名前はなかった?

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http://abcnews.go.com/blogs/entertainment/2013/07/prince-george-alexander-louis-what-does-it-mean/
http://abcnews.go.com/blogs/entertainment/2013/07/prince-george-alexander-louis-what-does-it-mean/

 

『ジョージ・アレクサンダー・ルイ』という名前について、ABCが「それはどういう意味?」という特集を組んでいる。

アメリカ人にとっては、王室にまつわるあれこれはあまり馴染みがないことだ。

 

記事では、「ウィリアムとケイトは伝統に従った」と書いている。

名前の決定には、二人に任せられていたようだ。

 

ジョージは女王の叔父の名でもあり、王室で何度も使われてきたもの。

伝統すぎるほどに伝統的だ。

 

そして、アレクサンダー。これも英王室でさんざん使われてきている。女性ならアレキサンドラだ。

エリザベス女王のミドルネームでもある。

しかしこの名前、英王室だけのものではない。

オランダでもドイツでも、ロシアでも王室の名としてさんざん使われてきた。

 

ヨーロッパの王室は一つの親族であり、その国の血が濃いというわけではない。

実際、ヴィクトリア女王は子女を各国の王室と婚姻させ、ヨーロッパの祖母とも呼ばれた。

 

そもそもがそんな王室だから、国民は王室にイギリス人の血が濃く流れていなくても、なんとなく許容している。

が、ウィリアムの母親であるダイアナは、離婚時にある発言を関係者にしていたとして話題になった。

「ドイツ系の一族に嫁ぐべきではなかった」

 

 

 「ジョージ」はイギリスにとって伝統的なのか?

 

今の王室をさかのぼると、ドイツのハノーファー選帝侯(神聖ローマ帝国でローマ皇帝を決める王)ゲオルク・ルートヴィッヒにたどり着く。

彼がイギリス王として迎え入れられ、ジョージ1世となったのだ。

なぜジョージかというと、それはイギリスの守護聖人の名前であり、イギリスの男子にもっとも人気がある名前だったからかもしれない。

と、イギリス人なら考えたい。

しかし、ジョージという名前はドイツではゲオルクと呼ばれ、古くは1455年生まれのザクセン公の名前でもある。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ゲオルク_(バイエルン公)

その後、ドイツの各王室で、それぞれのゲオルク1世が誕生している。

 

ハノーファー家のゲオルク・ルートヴィッヒの叔父もゲオルクだった。

つまり、ジョージという名は、イギリスに関係しているわけではなさそうだ。

 

しかし、王室は手を打った。

1901年、王室は王家の名であるハノーファー家を、サックス=コーバーグ=ゴータ家に変え、さらに1914年、ウィンザーという名に変えたのだ。

ドイツと戦争状態になったのが主な理由。

 

ダイアナが離婚時にああいった発言をしたのは、このあたりの事情と深く関わっている。

後にドイツはユダヤ人迫害をするが、ダイアナはユダヤ人にひどく同調していて、ナチスの行為が許せなかった。

だから、王室も許すまじ。だったのだ。

 

さきほど述べたとおり、ジョージを名乗ったのはハノーファー家。

イギリス人に人気がある名前とはいえ、王室としてはドイツ系王室であることを証明する、伝統的な名前だ。

ドイツの残ったハノーファー家では、ゲオルク(Georg)と名前は堂々と引き継がれていった。

ドイツのハノーファー家最後の王、ゲオルク5世といえば、英名ジョージ5世のことだ(イギリス王のジョージ5世とは別)。

さらに、彼のミドルネイムは、アレクサンダー。

 

その二つの名前をわざわざ息子に命名したダイアナの息子ウィリアム。

もし母親が生きていたら、やはり反対されていたかもしれない。

 

ただし…。

王室がドイツ系であることは間違いないが、ハノーファー家の運命には同情する。

なぜなら、ハノーファー家はプロイセンとオーストリアの戦い(1866年)でオーストリア側につき、降伏。

オーストリアに逃げ、事実上滅亡してしまったからだ。

最後の王ゲオルク5世はイギリスのウィンザー城に埋葬された。

 

プロイセンといえば、ドイツ帝国の基礎となったベルリン方面の巨大帝国。

プロイセンは厳密に言うとナチスを生んだとは言えないが、「ナチスを含むドイツ帝国の祖となっているプロイセン」に追い立てられたハノーファー家は、ナチスとはあまり関係がないと言える。

 

それでも、ダイアナはドイツ系の血を嫌ったか。

もし王室の中でドイツ系の血を大事にするような風習が残っていれば、反発心はあったかもしれない。

ドイツの血であればすべてナチス…。

日本人が韓国と中国に責められるロジックにどことなく似ているが。

 

ちなみに、ジョージを名乗った最後の王はジョージ6世。56年に死去したエリザベス女王の父で、『英国王のスピーチ』のモデル。

今回生まれたジョージが即位するとジョージ7世になる。

 

 

 

 

 

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