朝早く、井の頭通りを駆け抜けた。
と言っても、のんびり自分のスピードで。
他にクルマがなくて、朝陽がきれいに道に射し込んでいたので、窓をあけてのんびり往った。
自分のスピードでのんびり走るというのは、クルマの醍醐味だ。
このときこそ、移動する物体に乗る歓びを感じることができる。
八ヶ岳の山道を走るときも、こんな感じだった。
だけども、夢のような時間は時々壊される。
後ろからクルマがやってくるのだが、たいてい2、3台まとめてくる。
そして、頻繁に車線変更して、さっさと遠くへ行ってしまう。
これは、普段の都心の走り方だ。
「流れに乗る」を合い言葉に、抜かされまい、追いつけ、追い越せとやる。
だから2、3台がまとめてパァーンと往くのだ。
こんなのんびりした朝なのに。
10月、体育の日の前の金曜日。
相模原のキャンプ場に向かう道で、私はまたのんびりやった。
窓をあけて、のんびり運転。
自分のペースを崩さない。
人々は前へ、前へと往く。
子供を乗せているし、競争の中には入るまい、と思った。
私は走りながら、いろんなことを考えている。
まず、四輪を意識する。
4つのタイヤを意識して走る。
その4つの真ん中に、どっしり佇む感じ。
F1に近いイメージだと思う。
それで、道路の感触を味わう。
どんな道路のどんなでこぼこかも、しっかり意識する。
ずっと向こうの前ばかり見ているとできない。
すると、運転がぐっと楽しくなる。
加えて、八ヶ岳の山道を一人往くように、ゆったりと自分のペースを作る。
風景を感じながら走るには、飛ばすわけにはいかない。
「流れに乗る」が優位の道路という社会で、私は自分のスピードで往く。
迷惑だ、他でやれ、というメッセージが聞こえてくる。
でも構わない。
「先に往け」
と私は言う。
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RT @maashjapan: スピード優先の道路という社会より。 http://t.co/Tm7Q2Fu4bR
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