『恋人たちの予感』が出来るまで ノーラ・エフロン
『恋人たちの予感』の脚本家であるノーラ・エフロンが亡くなって2年が過ぎた。
英デイリー・メールが彼女の仕事を振り返る記事を特集している。
ノーラ自身の告白を基にしている記事だが、はじまりは1984年10月、エージェントだったロブ・ライナーとプロデュースのパートナーだったアンドリュー・シェインマンに昼食に誘われた日のこと。
最初にロブとアンディの二人は、弁護士の映画の話を提案した。
内容は忘れてしまったが、まったく興味を持てなかったらしい。
どうしてこの映画の案に自分を呼んだのかも不思議だった。
はっきりと興味ないと伝えるか、1時間ほどは興味があるふりをして話を聞き続けるか。
彼女は前者を選んだ。
それから1時間は自分たち自身の話をした。
実際はロブとアンディの話だった。
ロブは離婚を経験していて、アンディは独身だった。
ランチが終わった段階で、映画のアイディアは何もなかった。ただ、次にNYで会おうという話になった。
1ヶ月後、NY。
ノーラはいくつかのアイディアを持ち寄ったが、覚えていない。
途中でロブがあるアイディアを出してきた。
男と女の友人の話。友人として仲が良いが、行為をすればその関係が崩れてしまう。でも、二人はしてしまう。
まさに『恋人たちの予感』だ。
ノーラは「やろう!」と言った。
2月になりNYでまたいろいろ話し合った。
そのときロブが言ったアイディアは、「二人がやったら、ベッドから出て、家へ帰る」。
「男はいつだって女と寝たいと思っている。どんな女でもね」(冒頭、空港に向かうシーンでハリーがサリーに語るシーン)
三人は友情について、恋人について、人生について何度も語り合った。
ロブは変わった人だった。おかしなことをして笑っていると思えば、落ち込むときはひどく落ち込む。
どれだけひどく落ち込んだかを延々と話すこともできる。
「女性はメイクをベースに生きてるだろ。俺は憂鬱をベースに生きてる」
最初の脚本はだいだい良かった。でもところどころ変なところがある。
「あー、ロブが落ち込んでたのね」
そして、そんなロブがハリーそのものだった。
ハリーはサリーよりもいい人間だと信じている。
「君はNYに住んでいる。君には何も起こらない。誰にも出会わないし、誰にもならない。そのうち、多くのニューヨーカーの死の一つになる。2週間誰にも発見されないよ」
そして、こんな考え方もする。
「空港に誰かを送るってのは、関係のはじまりだね」
ノーラはロブをベースとしたハリーと向き合った。
ハリーが落ち込むと、サリーが元気づける。
超楽観主義で。
それはノーラそのものだった。
サリーはコントロールするのが好き。
だから恋愛もコントロールしたい(ハリーに関してはできていない)。
必然的に、食べ物もコントロールしたくなる。
ノーラはやっぱり食べ物に関する書き物が多く、唯一のエキスパートと言える部分だ。
だからといって、あの冒頭のカフェのシーンを入れようとノーラが言ったわけではない。
ある日、三人でランチを食べていた。
サンドイッチを食べるのに、マヨネーズが欲しかったし、パンは少し焼いてほしかった。
ベーコン・クリスプも欲しかった。
こんな感じで、自分の食べたいものをウェイターに伝える様子を見て、二人が脚本に追加しようと勧めたのだ。
あのサリーの長台詞(5年後に飛行機でもやる)。
1988年8月、撮影は始まった。
最初のランチから4年が経っていた。
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