近親相姦の哀しみを歌詞に託したアイリッシュトラッド〈the well below the valley〉です。
性に対して非常に厳格だったアイルランドの時代の歌で、近親相姦で生まれた子供が何人も家の中に埋められているという残酷な歌です。
主人公の女性は地主の娘。
彼女は本当の恋を知らぬまま、6人の子供を産み、子供たちはパブの下に埋められるというストーリー。
訳詞(訳アワライ)
A gentleman was passing by
He asked for a drink as he got dry
ひとりの男が村を通り過ぎる
喉が渇いて彼は、水が欲しいと私に言った。
At the well below the valley-o
Green grows the lily-o
Right among the bushes-o
谷間の井戸で
野に咲くユリの花
深い茂みの中で
“Me cup is full unto the brim(My cup is full up to the brim)
If I were to stoop I might fall in”
「私のコップにいっぱい入れすぎて、
あなたに渡せる水がない」
“If your true love was passing by(if your true lover)
You’d fill him a drink as he got dry”
「もし私が本当の恋人だったら、水をあげるでしょう?」
She swore by grass, she swore by corn
That her true love had never been born
彼女はアイルランド中の麦穂に誓った
本当の愛なんて、決して生まれないと
He said “Young maid, you swear in wrong
For six children you had born”
“If you be a man of noble fame
You’ll tell to me the father of them”
彼は言った。
「あなたが産んだ6人の子供のことなら知っている」
「あなたが本当に紳士なら、彼らの父親の名前を教えてください」
“There’s two of them by your uncle Dan”
「二人はダンおじさん」
“Another two by your brother John”
「二人は兄のジョン」
“Another two by your father dear”
「二人は父親」
“If you be a man of noble esteem
You’ll tell to me what did happen to them”
「教えてください。子供たちに何が起こったのですか」
“There’s two buried ‘neath the stable door”
「二人は玄関のドアの下に」
“Another two near the kitchen door”
「他の二人はキッチンのドアの下」
“Another two buried beneath the wall”
「二人は壁の中に埋められた」
“If you be a man of noble fame
You’ll tell to me what will happen to mysel’ ”
「私はいったいどうなるのか」
“You’ll be seven years a-ringing the bell”
「7年間」
“I’ll be seven years a-ringing the bell
But the Lord above may save me soul from porting in hell.
「鐘は鳴り続けるが、いつか神が地獄から救ってくれるだろう」
「真実の愛を知れ」という戒めの意味で、アイルランドの結婚式で唄われるそうです。(とあるアメリカ青年の話より)ヨーロッパの人でもどうしてこの歌が結婚式で歌われるのか、疑問に思う人は多いとのこと。
クリスティー・ムーアのザ・ウェル・ビロウ・ザ・バレー
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