もしもバリアがなかったら、ロンドンは大洪水に。
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これは、ロンドンの東側が洪水で埋まってしまう予想図。
もし深刻で厳しい高潮が起こった場合、こんな状態になってしまうというのだ。
ただし、すでにテムズ川にはテムズバリアなるものが構築されていて、そのおかげでここまではならないらしい。
英国南極調査とブリストル大学の研究では、今世期末には3フィート(1メートル)も海面が上昇するという予測がされていて、すでに10年後にはなんらかのかたちで高潮被害が起きると考えられている。
実際、先週に起きた嵐は、過去60年で最大規模の高潮となった。
テムズバリアーはとりあえず凄い。
1982年に建設された520メートルの洪水ディフェンスシステムで、各ゲートは高さ20メートル。
それぞれのゲートは10分で閉じる(完全に閉じるのには1時間半)。
9000トンの負荷に耐えることができ、首都を守ってくれる。
この完璧なバリアが作られたのは、過去に痛ましい事故があったため。
1953年、北海の洪水によって、307名が死亡した災害だ。
イギリスの東海岸は北海の嵐によって影響を受けやすく、日常的に7メートルもの干満差があるテムズ川の高潮と重なると、大惨事になる。
1953年1月31日、テムズ川河口付近起きた洪水では、2万4000家屋が倒壊し、307名が死亡。
対岸のオランダでは1800名が犠牲となった。
この事件がきっかけとなり、テムズ側の洪水を防ぐ対策として大規模プロジェクトが始まったのだった。
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