ジャック・ザ・リッパーは、最後の被害者メアリー・ジェーンだった?
《The Seduction Of Mary Kelly》という本が出版された。
ジャック・ザ・リッパーに関わる本、いわゆるリッパー・ミステリーだ。
作者のウィリアム・J・ペリングがこの本で提唱している犯人。
それは、最後の被害者メアリー・ジェーン・ケリーだ。
美しい彼女は、救世軍の兵士だった。
救世軍とはプロテスタント系のボランティア団体で、事件の起きたイーストエンドのようなロンドン東部で設立された。
作者が救世軍の彼女に注目したのは、リッパーの事件が救世軍の目的と一致したこと。
この事件によってイーストエンドのスラム街は注目され、市によって改善の動きが始まったのだ。
ジェーンが死んだのは25歳のとき。
ブロンドの髪、青い目、誰もが認める美人だった。
ウェールズのカーディフ出身で、1884年にロンドンに移り住んだ。
ウェストエンドの高級売春宿で働いていたという。
彼女の死体が発見されたのは、1888年、11月9日。ミラーズコートの自宅だった。
心臓はなかった。
彼女だけが自宅で、一番無残に切り裂かれていた。
彼女だけが若かった。
当時からすべての事件が「ジャック」一人のものだと断定されていたわけではない。
捜査していた警部や医者らが主張していた。
発売されたばかりの本なので、なぜケリーなのかについては記事には書かれていない。
ので、今までの「メアリーではない説」を検証してみる。
まず、臓器の取り出し方だ。
性器などの切り取られ方は技術がいるもので、プロでしか出来ないことから、医者説がこの事件の最有力候補だ。
犯人と名乗る男の手紙では、医者説を高笑いしていたが、臓器売買説も力強い。
「スラム街の人など殺してもいいだろう…。貴族のために、高値で売るのだ」
そんな犯人のつぶやきが雨に濡れた路地裏から聞こえてきそうだ。
しかし、殺して得た臓器を新鮮なまま患者に渡せるとは思えない。
ドクター・スタンレー(仮名)の説は、メアリー・ケリーに繋がるものだ。
彼の息子がケリーに梅毒をうつされて死んだというもの。
犯人の手紙にも売春婦への恨みが書かれているし、ケリーだけが自宅で、他の女性以上に惨殺されていたことにも繋がる。
しかし…ケリーは梅毒ではなかった…。
では、同棲していたジョセフ・バーネット。
彼はケリーに売春をやめさせるために、脅しで4人を殺したという説。
でも、ケリーを殺す理由にはならない。
もやもやしてきたので、kindle版の本を買ってみた。
これから読んでみる。
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