ディーラーに行って、展示されているクルマのドアを開ける。
そして、座る。
ドアを閉める。その瞬間。
もう、ずっと居たいと思う。
できれば店員さんは出て行ってもらって、しばらくここでじっと、コーヒーでも飲んでいたい。
読書もしたい。
MINIもルノーも、マツダもそんな気にさせる。
高級車じゃなくていい。
それが外に展示されていると、少し趣きが変わる。
店内に展示されている場合、室内空間のさらに空間として捉えるのか、小さな茶室に入り込む感じなのか。
試しに想像する。
クルマの形じゃなくて、あれくらいの大きさで、ドアがあり、窓があり、椅子がある箱が、室内にある場合。
…ちょっとうまく想像できなかった。
たぶん、クルマはやっぱり、デザインがいい。
自分の部屋を眺めて、ここに自分のクルマが置いてあるのを想像してみた。
想定時間は夜。
…なかなかいい。
いや、ものすごくいい。
半ガレージのような、よくあるパターンでは駄目だ。
普通に、リビングに置いてある。
もし置いていたら、何度でもドアを開けて、椅子に座る。
どうしてそんなふうにしたいのだろうと思うと、よく分からない。
東京モーターショウは行かなかったが、室内空間に置かれたクルマはどれも素晴らしかっただろう。
室内の場合、ライティングも完璧になる。
室内空間の箱と椅子。
茶室とは随分趣きが違うけれど、閉じこもっていたい空間という意味では、茶室のようなものだ。
走らないクルマも、なかなかいい。
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