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グッドナイト・サイゴン、歌詞に秘められた本当の意味を探る。

ByRem York Maash Haas

10月 30, 2009
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ベトナム戦争をテーマにした〈グッドナイト・サイゴン〉。PVがあまりに印象的な歌です。
歌詞は同士となった海兵隊の兵士たちが、ベトナムで一緒に死んでいく、というもの。
英語詞に忠実に訳してみました。
冒頭、「パリス島」という地名が出てきます。
オフィシャルの訳ではその「囚容所から同じ囚人として別れた」となっています。
しかし実際には、パリス島は海兵隊を育てる施設があるところです。
asylumは確かにネガティブな意味での「施設」ですが、囚容所はあんまりだと思います。
比喩表現としてもないと思うのですが、オフィシャルなので、本人に確認などしているのでしょうか。
それとも単なる誤訳でしょうか。
訳者が囚人とした理由は、おそらくinmatesという単語だと思います。
刑務所の収容者という意味もあるからです。
ただ、同じ場所に住む人という意味もあるのです。
歌詞の主人公が囚人となることで、相当、訳は混乱をきたしています。
が、ネット上ではそのまま掲載されていることが多いです。
どちらが正しいのでしょうか……。

俺たちはパリスアイランドで出会い
海兵隊施設から同士として旅立った

僕たちは研ぎ澄まされて、ナイフのようだった

僕たちは死ぬほど熱心に行動した

駄馬のように無力に上陸し(駄馬のように震えながら)

タグ付きの死体となってビニールに入れられ、帰ってきた

僕たちは素早く移動する術を学び、

僕たちの腕は重かったが、腹はふくれていた

目の前に故郷はなく、やわらかな石けんもない

プレイボーイが送られてきて、ボブホープ(コメディアン)がやってきた

僕たちは深く穴をほり、目にみえるものを撃った

そしてジーザスに全身全霊で祈った

風景を切り取るカメラはなく

ハッシュパイプを回しながら、ドアーズを聴いた

夜は暗かった。とても暗かった。

兄弟にように支え合い、もし何かあったら、互いの母親に手紙を書くと約束した

そして、僕たちは一緒にたおれゆくのだ
そう、一緒に。
ーーーー
オフィシャルではplasticをプラスティックとしていますが、死体を入れるビニールの袋(遺体袋、ボディバッグ)のことだと思います。
タグはドッグタグと言ったそうです。
and we learned~のオフィシャルは「光の速度で旅することを教えられ」。ここでみんな混乱します。
本当の訳は、おそらく、身軽に、素早く移動することだと思います。
our bellies〜は、オフィシャルでは「腹は堅かった」。これでは意味がわかりませんが、おそらく、お腹がふくれていてタイト、つまりベルトがきつかったという意味で、満腹でふくれていたのか、栄養失調気味だったのかはわからないですが、おそらく食は満たされていたということだと思います。
ボブホープは慰安ツアーを何度も行った有名なコメディアンですが、オフィシャルの訳は「与えられたのはボブ・ホープ」。
サビのall go down〜のところを訳そうとすると、ちょっとウルっときました。
ビデオはパリスアイランドの海兵隊施設やハッシュパイプ、ボブホープなど、歌詞の内容に関する写真で作られたものです。

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「グッドナイト・サイゴン、歌詞に秘められた本当の意味を探る。」への2件のフィードバック
  1. 多分、オフィシャル和訳はそこまで考えていなかったと思いますが、改めて考えると囚容所、囚人とは妙訳だと思います。むしろビリーがそう感じていたかも。兵隊、特に最前線に送られるような立場の人には自由も意思も与えられないからです。決められたタイムテーブルに従って行動し、命令には絶対服従。ただの駒であって命の保証はない。むしろ、死んで帰るのは当たり前って、囚人以下だと思いますよ。

    1. たしかに当時の海兵隊は囚人のようなものかもしれないですね…。残酷な時代でした。

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