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CNNが靖国問題をトップで取り上げる。

ByRem York Maash Haas

10月 22, 2013
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http://edition.cnn.com/2013/10/21/world/asia/yasukuni-japan/index.html?hpt=hp_c1
http://edition.cnn.com/2013/10/21/world/asia/yasukuni-japan/index.html?hpt=hp_c1

 

CNNのWeb国際版がトップで報じているのが、靖国問題。

タイトルは「Yasukuni shrine visits: Japan honoring the dead or insulting the neighbors?」。

靖国参拝 日本は死者を弔うか、隣国を侮辱するか?

というものだ。

 

ストーリーのハイライトは、

・日本の官僚や議員の一部が、論争になっている靖国を参拝した

・靖国には第二次世界大戦のA級戦犯14名を含む

・参拝者は死者に敬意を払っているだけと語っているが、韓国中国はそう思っていない

というものだ。

 

記事では、中国の新聞グローバルタイムズの社説を取り上げている。

「中国や韓国は、感性や合理性うんぬんではなく、決して靖国を受け入れない。日本との経済や貿易の重要性が高まろうと、関係ない」

 

また、CNNの記事では、

「中国や韓国にとって、神社は日本の帝国軍の象徴であり、訪問は戦犯をたたえるものであり、残虐行為を否定するものだと見られている」

と紹介されている。

 

Temple University Japanのジェフリー・キングストンは、「日本の戦争に対する自責の念がない象徴の聖地」と紹介した。

 

(※以下はMaashとしての記事です)

記事では安倍総理が参拝しなかった理由である「近隣諸国を刺激する」という言葉も、もちろん紹介しているが、なにより大切なのは、この言葉のはずだ。

 

現在の東アジアにおいて、それぞれのナショナリズムで、意見が異なっているのはどの国の、誰もが知る事実。

にも関わらず、それぞれの国が意見を通そうとし、刺激しあっている。

 

日本人のなかで、隣国を刺激しようとしているのは誰か。

当然、日本の保守派である政治家たちがその主役だが、彼らは純粋に、清く美しく散った日本兵や日本軍を敬いたい。

敬いたくて仕方ないが、現在のところ、それをすれば隣国の心情を傷つける。

それでも敬いたい。

なぜなのか。

 

実は、日本の保守派の見解は、国際的に見ても非常に閉ざされたものになっている。

たとえば、国内ではこうなる。

日本の玉砕や、祖国のために散った命を敬いたい。

それは、誰でも持っている日本人としての心だ。

外国に口出しされることではない…。

 

しかし、そういった過去の人々に関する感情はドイツも同じだ。

ナチスは国際社会から見て完全に悪となっているが、ドイツ国民は実際は、そこまで悪と思っているわけではない。

ナチスの功績も調べ、認めている。

しかし、国際的には一般市民の心情として、そのメッセージを発することは基本的にはない(ネオ・ナチが発している)。

政治レベルになると、「ナチスとは完全に縁を切った」と宣言している。

 

もし今のドイツ政府がナチスを称えるような発言をすれば、イギリス、フランス、ロシア、ポーランド、イスラエルと、批難する国は日本の比ではない。

「近隣諸国を刺激する」のだ。

 

 

しかし、日本は「刺激する」。

「日本はドイツと違うのだ。近隣は黙っていろ」と。

 

 

幻想日本

 

 

そう思いたい心情は日本人として理解できるが、国際社会がそう思っていないのだから仕方がない。

日本は朝鮮の皇室を殺害し、独立軍を虐殺し、中国各地で戦争をした。

どんなに日本兵が立派でも、それは「祖国を守るため」ではない。

どんなに日本兵が立派でも、立派ではない日本兵がさまざまなことをした。

それは現地では語り次がれ憎しみを残したが、日本人がそれを積極的に知ろうとすることはない。

保守派は「誇張しすぎだ」と言って逃れるだけだ。

時に、「それを証明する証拠がありますか?」と問いつめる。

 

「日本はドイツと違う」と保守派が強調することは、「ナチスと縁を切った」というドイツの姿勢とは真逆のものだ。

実際に、日本は戦争時の体制と縁は切っていない。

一続きだ。

 

 

筆者は高校で左翼的な教育を受けた。

日の丸は掲揚せず、国歌は一切歌わなかった。

その反動で、『ゴーマニズム宣言』などに影響を受けた。

その後人生の中で、イデオロギーは争いを生むことを覚えた。

友人とは喧嘩になる。

 

結果、異なるイデオロギーをどちらも疑い、調べるというスタンスにした。

そのため、東アジアの問題に関しては、右翼的心情を持ちながらも、韓国や中国の立場として考えることもしている。

「靖国に関しては口出ししてほしくない」

これは、私が長年思ってきた気持ちでもある。

 

そして、「近隣諸国を刺激すべきではない」という意見は、韓国や中国側の心情を考えたうえでの、私の今の心情でもある。

 

 

「日本兵は悪魔なんかじゃない。統制された立派な人々だった」

という言葉に、感動した10代、20代。

今でもそう思いたいが、それは幻想だということに気づいている。

 

それには、少し馬鹿げたエピソードがある。

先日、生まれて半年の子供を連れて飛行機に乗った。

普段は日本人の誰もが子供に優しく、「日本人はみんな子供に優しい」と思っていた。

優先で先に搭乗して座っていると、目の前に立った初老の紳士が「おーい、なんだよー」と言う。

我々の隣になったことに対して、文句を言っていたのだ。

そして、席に座る前に舌打ちをした。

妻が「ご迷惑おかけします」と話しかけると、それを無視して再び舌打ちをした。

 

 

「日本人はみんな子供に優しい」

それは、そうであってほしいと思う、私の幻想だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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