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Even thoughとAlthoughの使い方 最終解答。

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Even thoughやAlthoughの意味は理解していても、実際に使うというのはニュアンス的な問題で難しい。

でも娘がさらっと使うので、私も自然と使うようになったが、心のモヤモヤは晴れない。

そのモヤモヤは何かというと、同じとされているEven thoughとAlthoughは、実は違うのではないかという問いだ。

それを調べて、辿りついた決定的な違い。それは、butと同じ意味を持つ使い方との違いだった。

 

 

娘はよくEven thoughをよく使う。

butもよう使うし、althoughとthoughは少しだけ。

この4つの言葉は、よく似ていて、同じように使うと言われているが、果たしてそうなのか。

 

娘が最初に覚えたのはbutだ。

日本語にすると「これっておいしいよね バアット」と、次の言葉を繋ぐときに「だけど」「けど」の雰囲気で使い始めた。

これは日本人としてもすんなり使いやすい言葉だと思う。

なぜかというと、but自体が独立した感覚があるからだ。

「これっておいしいよね バアット モゴモゴ」と、次の言葉をあやふやにしても、なんとなくやり過ごせる。

「バット、今日はいかなきゃ」というのも、「でも行かなきゃ」という感じで日本語と使い方が同じだ。

 

一方で、「たしかにおいしいけどね」「実際、遠いけど」みたいな「けど」は、

It’s yummy, though. (副詞 however, nevertheless)

と、これもまた日本語に似ている。

 

実際に使うときに、こういった日本語との相性がいい場合は、日本語を先に覚えた人には心地よくて、よく使える。

それだけに、even thoughとalthoughはちょっと引っかかる。

日本語の解説では、「どちらも『にも関わらず』である」とあるが、この例だけを記憶していると、実際には使いづらい。

生活で、「にも関わらず」と家族間で使うことはあまりないのだ。

 

では、どの訳なら、日常生活で使えるものになるのか。それは、「のに」だ。

冬の日の朝、まだ寝ぼけている娘を着替えさせようと、おだてる。

「寒いのに、着替えられて凄いね」「眠いのに、頑張って凄いね」

You’re great! Even though it’s cold, (you can do it)

意味としては確かに「にも関わらず」だが、フィーリングとしては「のに」だ。

日本語でも日常生活で「のに」は多用しているはず。

 

頑張っているのに、風邪引いているのに、美味しいのに。

この「のに」「だのに」の気分でEven thoughを使えば、すんなりと入りこめる。

 

Even though it’s cold outside, you can do it.  外は寒いのに、きっとできるよ!

 

Thoughだと「寒いけど」となるが、「のに」とは明らかに違いがある。

寒さを客観的に見ているか、気持ちを込めて強調しているか。

「けど」は客観で、「のに」には感情がある。

 

娘がよくEven thoughを使うのは、「のに」のイメージだと思う。

Even though I’m still child,    まだ子どもなのに

という感じで。

 

Even though I’m surrounded by English, I can’t speak English.

英語に囲まれてるのに、英語を話せない。

「のに」と捉えれば、日本人に囲まれている部分を強調しているし、「けど」であればそうでもない。

素直に考えれば、「けど」の場合は

Though(Although) I’m surrounded by English,

だと考えたい。

Even though I’m surrounded by English, なら、「のに」だと。

 

I’m dating someone even though I’m married. 結婚しているのに誰かとデートしてます。

これは「結婚しているのに」以外に訳せない。「結婚しているけれど」だと、意味が弱くて反省の気持ちは見当たらない。

反省していない場合は、evenを取ればいい。

 

 

 

Though, Although, Even though, Butの例

副詞

I’m sad. It’s sunny day, though.    悲しい。晴れだけどね。

 

接続詞(譲歩)

Although it’s warm, I’m sad.  暖かいけど、悲しい。

I’m sad although it’s warm.  暖かいけど、悲しい。

Even though it’s warm, I’m sad. 暖かいのに、悲しい。

 

接続詞(逆接)

It’s warm, but I’m sad. 暖かい、悲しい。

 

 

 

Even thoughとAlthoughに違いはあるのか。

 

 

仮説として、こんな強弱の順序を考えてみた。

 

Though he is poor, he is honest

彼は貧乏だけど、正直だ。

Although he is poor, he is honest

彼は(たしかに)貧乏だけども、正直だ。

Even though he is poor, he is honest

彼は貧乏なのに、正直だ。

 

 

弱い(譲歩)        強い(逆説)

though    although   even though    

これくらいの順序があると。

 

実際は、ネイティブによってeven thoughのほうが強いという人もいれば、AlthoughとEven thoughはまったく同じという人もいる。

あるロンドン在住のイギリス人は、「even thoughはalthoughとまったく同じ使い方だが、even thoughはalthoughよりも重点、強調を置いている」という。

「が、もの凄く違うのかとは言えない」らしい。

また、Althoughにはストレスを入れて言うので、それによって強調されるとのこと。

「だ・け・ど・も」という日本語の感じに近いのではないか。

 

 

結論

 

ケース1

文法的なもの、最終的な意味合いとしては

Although, Even thoughは同じ(Despite, in spite of)

 

thoughは弱い。

 

ケース2

though, althoughは同じ。thoughは副詞として使えるが、althoughは使えない。

また、カジュアルかカジュアルじゃないか(口語的か文法的か)の違い。※実際はAlthoughは口語でも使われるし、thoughは新聞で使われている。

 

上の二つより、Even thoughは強い。

 


 

私はケース2が正解だと思う。ネイティブの人は日本語の微妙な違いがわからないから、ただ「even thoughにはemphasis(重点)が他の2つよりある」という言い方をする。「Thoughを強めたいときはEven thoughにする」とはっきり書いてある辞書サイトもある。それが「のに」と「だけども」「けど」の違いなんだと思う。

 

娘が小さい子向けのアニメからEven thoughを覚えてよく使うのは、

「のに」というニュアンスがそこにあるからだ。

 

番外編  コンマがあると、butの意味になるAlthough

 

I don’t feel good, even though I took a sleep. のような、主節が先に来る場合のコンマは必要ない。というのがネイティブの辞書などでも書かれているフォーマルだが、新聞などではコンマが打たれることが多い。それは何故なのか。

 

○Although I took a sleep, I don’t feel good. 眠ったけれど、気分が良くない。

○I don’t feel good although I took a sleep.

この二つは意味がまったく同じになる。

 

しかし、おかしなことに、カンマが真ん中のalthoughの前に来る場合はたしかにある。

まずこの文を見てみてほしい。

I took a sleep, but I don’t feel good.  少し眠ったが、気分は良くない。

I took a sleep. However, I don’t feel good.  少し眠った。しかしながら、気分は良くない。

 

これは接続詞で逆接として結んだ場合と、副詞のHoweverを使った場合。

二つともほぼ同じ意味だが、最初のbutによる接続が、althoughで置き換えられるのだ。

I took a sleep, although I don’t feel good.  

文中のalthoughの前にカンマが来るのは、このバージョンなのだ。

 

例 (逆接)

We found the brass box there, although its contents had been destroyed.

(http://www.spanishdict.com/examples/althoughより)

「我々はそこで真鍮の箱を見つけたが、(しかしながら)その中身は破壊されていた」

 

この違いに気づいたのは、このページに書かれていたから。

https://en.oxforddictionaries.com/definition/although

 

しかし、困ったことに実際は

I don’t feel good, although I took a sleep.

というパターンもある。

これを良しとすると、butの逆接と混同してしまうことになる。

 

そうなると、文脈で判断することになる。

We soon recognized each other, although we had not met for years.  何年もあっていなかったけれども、すぐに打ち解けた。

これを逆接で解釈すると、すぐに打ち解けたがが、何年も会っていなかった。 となり、通じるが前者がより正しく感じる。

ということは、

Although we had not met for years, we soon recognized each other. ということで、butを使うと、

We had not met for years, but we soon recognized each other. となり、

We had not met for years, although we soon recognized each other. という本来の使い方でも同じ意味になる。

 

最後に来る句が本当に言いたいことであれば逆接で、そうでなければ譲歩となる。

 

箱の文はこうなる。

「箱の中身は破壊されていたが、我々は真鍮の箱をそこで見つけた!」

そう考えると、譲歩節ということだ。

 

 

最後に、最終的な例

 

副詞

I’m sad. It’s sunny day, though.    悲しい。晴れだけどね。

 

接続詞(譲歩)

Although it’s warm, I’m sad.  暖かいけど、悲しい。

I’m sad although it’s warm.  暖かいけど、悲しい。

Even though it’s warm, I’m sad. 暖かいのに、悲しい。

I’m sad, although it’s warm. 暖かいけど、悲しい。     ※1

 

接続詞(逆接)

It’s warm, but I’m sad. 暖かい、悲しい。

It’s warm, although I’m sad.  暖かい、悲しい  ※2

 

※1と※2が同じ文で、解釈が違う

 

 

歴史的解釈

 

オックスフォード・ディクショナリーによると、Althoughはもともと、ALLとthoughにわかれていたという(1400年ごろまで)。

そして、thoughよりも強意だった。しかし、今はEven thoughが強意となっている。

 

 


 

日本語サイトによくある間違い

 

・thoughとalthoughにカジュアルかどうでないかの違いは、あまりなくなってきている。

・althoughは文中でも使える

 

 

 

http://mothertongue.jp

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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