子守歌は母親を産後うつから守っていた。
「歌うこと」は精神を助けるーー。そんな研究結果がイギリスで発表された。
「産後うつ」に対する、アナログな答え。大昔から人間がやっていた行為。歌が人を救うのだ
ロンドンのパフォーマンス・サイエンスセンターの研究者らは、産後うつの中程度から重度の患者に対して、「歌う」ことを提案してみた。
産後うつは、出産後1年以内に、10人に1人が患うとされている病気。多くの家族を苦しめているこの病気だが、その対策は太古から人間が行ってきたシンプルな行為、歌にあるのではないかという提案だった。
研究者らは、患者をグループ内で歌わせることで、「かなり早く回復する」という研究結果を得て、先日イギリスの新聞等で紹介された。
そのはっきりとした理由はわかっていないが、感情を表現し、弛緩を助けることでうつ病対策になるらしい。
ということは、つまり、赤ちゃんに向かって子守歌を歌うこと自体、産後うつを防ぐ方法となっている可能性もある。
研究は産後40週以内の134人の母親を対象に行われ、10週間の間、歌のワークショップ、クリエイティブプレイワークショップといった数グループに分かれて実施された。
歌のグループは歌うことはもちろん、新しい歌を学び、子ども用の歌を作るといったワークショップも行われ、歌に対するクリエイティビティも高めるような作業にも重点が置かれたようだ。
他のクリエイティブワークショップや、通常のうつ病ケアのグループは元々、一定の効果が確認されていたが、歌のワークショップはそれと同等の効果が確認された。
現代社会は歌を歌う機会はカラオケボックスでしかなく、母親は育児に追われて家で静かにしているパターンが多いのかもしれない。
子どもは泣くし、寝ている間に音は立てられないからだ。
もし、子どもが眠るときに子守歌をしっかり歌い、起きているときには赤ちゃんに向かって歌うということをすれば、うつ病の人もそうでない母親も、精神的な助けを得られるのかもしれない。
また、母親ではない一般人にも同じことが言える。
「歌うこと」は原始的な行為であり、なくしてはならない行為なのだ。
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