今のヨーロッパ人と氷河期の人々は、キャンプファイアで会話できる。
英語で「hey, can you give me a hand!」と言うと、手をかしてくれるはずだが、氷河期の人々には、「Ershver tooni monhrr!」 と言わないと通じない。
しかし、1万5000年も前の氷河期が使っていた言葉でも、共通の言葉がいくつかあるらしいことがわかってきた。
たとえば、母親を意味するmamaは、今も昔もさほど変わらない。
そして、 I, you, we, man, fire, spit、worm(毛虫)といった23の言葉は、響きは違うものの、互いに認識できるものらしい。
そのため、キャンプファイアではある程度の会話ができるかもしれないという。
この大昔から今まで使われ続けている言葉は、「スーパーラングエッジ」と呼ばれ、コミュニケーションや異なるグループとの情報交換に使われていた可能性がある。
おそらく、言葉というものが生まれた初期、少なかったものの多様されていた大事な言葉は、長い間大きく変化することなく、各地に分散していった。
その後、新しい言葉はそれぞれの地で生まれ、言葉は分かれていったのだ。
そのため、I、This、といった基本的な言葉は昔から変わらない可能性が高い。
ちなみに、冒頭のErshverは大西洋の言葉でInuit-Yupik(イヌイット・ユピキ)語形。
汝(thou)はershver(エシュバル)。tooni(トゥーニ)はto give。monhrrrはhand。
ヨーロッパの言葉の語源となっているのは以下の通り。
- Altaic (whose modern members include Turkish, Uzbek and Mongolian) トルコやウズベキスタン、モンゴルなどのアルタイ語(アルタイク)。日本はウラル・アルタイ語が語源。
- Chukchi-Kamchatkan (languages of far northeastern Siberia) 北東シベリアの言葉
- Dravidian (languages of south India) 南インド
- Inuit-Yupik (Arctic languages) 大西洋
- Kartvelian (Georgian and three related languages) グルジア
- Uralic (Finnish, Hungarian and a few others) フィンランド、ハンガリー
日本の語源に近いアルタイ語だと、「手をかしてください」は
ti tooya manya(ティ トゥーヤ マニヤ)
になる(語順は不明。日本語順ならti manya tooya)。
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