独自の文化を曲げることのなかったスラブ系の町がシュプレーヴァルトにある。
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ドイツ帝国の礎を築いたのは、プロイセン帝国。
この国はもともと、今のポーランドにあった。
ドイツとポーランドを隔てているのは、ゲルマン系がスラブ系かという民族的違い。
今のベルリンあたりの東ドイツもスラブ系が多く住んでいて、それをキリスト教化したゲルマン系ドイツ民族が植民していった。
多くのスラブ系がキリスト教化していく中で、それに屈服しなかった町が、ベルリンの近くにある。
ベルリンから南に100km。
シュプレーヴァルトという町だ。
ここには、ドイツ系のキリスト教化政策に従わず、独自の文化を守り続けてきた町。
その証として、屋根には×印が。
SpreewaldのWaldは森という意味で、深い森の中に町があったことを示している。
町には200もの潅漑用水路があり、その生態系なども注目されている。
住民は1998年の段階で約5万人。かつてソルブ、ヴェンドと呼ばれた人々は、今もドイツ語ではなくソルブ語をメインに使っている。
キリスト教化したドイツ騎士団がポーランド北西部を襲ったころ、当時のスラブ系民族は時間の概念がなく、文字がなく、一夫多妻制だったという。しかし、ドイツ騎士団の征服によって、移り住んできたドイツ系移民と同化したため、当時の文化が色濃く残る地域は少ない。シュプレーヴァルトは、彼らの文化を知る上でも貴重な手がかりとなる奇跡の町と言える。
シュプレーヴァルト博物館。
1930年に撮影した町の女性たち。
シュプレーヴァルトの森は北側のUnterspreewaldと、南側のOberspreewaldに分かれていて、その二つの森を結ぶのがリュッベン(Lubben)という町。南側の中心地はリュベナウ(Lubbenau)で、その東側に森に囲まれたエリアがある。
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