アップル製品のデザインに影響を与えたディーター・ラムスが「デザイナー」の価値を落とす
『Cult of Mac』が提示しているのは、ドイツのブラウンのデザインと、ジョナサン・アイブによるここ15年間のアップル製品の類似性。
確かに、1958年のT3 POCKET RADIOと初期ipodはそっくりだ。
G5もiPhone電卓アプリも似たものがある。
30年近くブラウンのヘッドデザイナーだったのは、ディーター・ラムス。
何百もの製品をデザインした彼のチームのことを、2011年の本でアイブは褒め称えている。
インスピレーションを受けたことは間違いない。
しかし、そもそもラムス氏もアイブ氏も、「余計なデザインをしない」というやり方だから、そのコンセプトを基にすれば誰でも同じような方向性になる。
そのためにiphoneのデザインは現在のスマフォの基本デザインになってしまった。
アイブ氏本人も、自分の感性などを使わず、「こうあるべき姿」を求めているだけだという。
普遍性のようなものだ。
その割にサムソンとのデザイン盗作で激しく争っている。
未来のデザイン料は低価格に。
店舗のデザインも洋服のデザインも何もかも、未来のデザイン料は低価格にならなければいけない。
いいデザインやグラフィックは、誰でも高質なもの(ラムスやアイブが目指しているような普遍的なもの)を手に入れることができるのが理想だ。
現在横行している「高いデザイン料」など、ぼったくりに近い。
日本では「高級に見えるデザイン」だからデザイン料が高い。というのが現状で、たとえば安い製品を売り、デザイン料をおさえたいスーパーは、デザイン料にお金をかけない。
だから、高そうなスーパーを作りたかったら、高いデザイン料を払えばいいだけだ。
才能あるデザイナーは、コテコテのデザインなどしない。
シンプルな店舗デザインとシンプルな商品で、誰もが心地いい「洗練されたデザイン」になる。
デザイン料にお金を払わない場合は、いかにも「デザインしました」といった風な、個性あふれるものが登場するだろう。デザインに費やしている時間はこっちの方が多いかもしれない。
将来的には、高級そうに見えるシンプルで落ち着いたデザインが一般的になり、スーパーの格にかかわらず、どのスーパーも洗練されてくる。そのデザイン料にお金などさほどかからないのだ。「わざと店舗をダサく汚くすることで、安い商品を求める客を呼ぶ」という考えもなくなる。
デザインの善し悪しによって物価の高い安いが決まる時代は終わるのだ。
ラムス氏もアイブ氏も、高給取りの有名デザイナーだが、やっていることは世の中のデザイナーの地位を下げていく仕事だった。
「君の個性なんていらない」
彼らはデザイナーたちに、そう言っているのだ。
文 沼畑直樹
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