中国に憲法はあるけれど 南方週末検閲問題
中国の『南方週末』事件は、世界のメディアでも頻繁に取り上げられている。
米高官も「自由を求める人々が出てきたのは興味深い」といったコメントを残している。
TIME誌の元北京特派員・支局長のフロクルズという人がCNNでこの件について記事を書いている。
それによると、中国ソーシャルメディアのSohu(http://www.sohu.com)とWeibo(http://weibo.com)や、ニュースサイト新浪網では、『南方週末頑張れ(「南方周末加油」)』といった文字を、検閲を避けるためか、縦に文字を並べていたという(真贋は不明)。
http://www.163.comでも、ニュースの最初の文字を並べると「いけ! 南方週末 いけ!」と読めたという。
この騒ぎは習近平にとって最初のテストだと国際社会は見ている。
ソーシャルメディアやマイクロブログの時代にどう向き合うのか。
どんなに言論を封じ込めても、ソーシャルメディアで人々は自分の考え方に力を加えていく。
中国の憲法の何が悪い
そもそも、「中国の夢、憲政の夢」というタイトルの「憲政」という言葉の何が悪いのか。
当然、中国にも憲法はあり、前文の最後にあるように、最高法規とされている。
しかし、憲法は共産党の指導を仰ぐとあり、事実上は共産党が憲法の上に立っているのだ。
そもそも、前文で「社会主義を破壊する組織や集団を禁止する」と書かれているが、共産党が社会主義を破壊したのだからどうしようもない。
今の中国の繁栄は、社会主義と袂を分かったことから始まった(憲法では社会主義事業は達成されたとしている)。今の中国のムードは、世界で資本主義が始まったころのザ・キャピタリズムだ。
まさにブルジョア階級が勃興し、労働者階級が不満を叫んでいる。
憲法には搾取階級は消滅したとあるが、現状は新たに作り出している。
党は都市部と農村部で階級を分けているが、社会主義、共産主義なら階級闘争はお手の物だ。
それ以外にも、わざわざ前文に「台湾は中国の領土」と明記したり、かつて半植民地であったことなど、感情的なものとなっている。
反覇権主義、反帝国主義という言葉も出てきて、今もっとも覇権的行動を見せている中国だけに興味深い。
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2011&d=0905&f=column_0905_018.shtml
中国は今後、民主主義に向かっていくことは間違いない。
共産党が緩やかにソフトランディングさせるのか、革命的なことが起こるのかはわからない。
資本主義で国民が豊かになり、教育を受けたものが増えていけば、こんなおかしな状態で黙っているわけもない。
党が解散したとき、この憲法も新たにしなければならない。
チベット独立なども起こるだろうから、問題は山積と言える。
ちなみに、中国の憲法は公民に言論や出版の自由を認めているという。
党中央宣伝部の検閲や書き換えは、誰が見ても憲法違反だ。
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