CNNが選ぶ『世界の偉大なコーヒー都市8』
People are more and more interested in where the beans come from, and how they’re harvested and roasted.
とサードウェーブな言葉を語っているのは、NZのバリスタチャンピオン、ニック・クラーク(Wellington’s Flight Coffee)。
「人々はコーヒー豆がどこで栽培され、どのように収穫されて、ローストされたのか、より興味を持つようになった」
このCNNの記事は、世界のコーヒー都市トップ8を紹介しているもの。
冒頭のコメントから見ると、サードウェーブカルチャーを紹介するのかと思いきや、
なぜかポートランドもトーキョーも西海岸もない。
NYもベルリンもない。
選ばれたのは、ロンドン、メルボルン、レイキャビク、ローマ、シンガポール、シアトル、ウィーン、ウェリントン。
古いコーヒーカフェも含めての特集なのか…。
意味がわからないので、選ばれた理由をとりあえず読んでみる。
ロンドン
10年ほど前にFlat White やKaffeineといったNZ、オーストラリアから本格エスプレッソショップが進出。
ロンドンのコーヒー文化はまだまだという意見がやはりあるが、ここ5年は相当伸びてきているらしい。
カプチーノが昔からポピュラーで、最近はフラットホワイト(NZなどで飲まれるエスプレッソと少量のミルクを混ぜたもの)が人気らしい。
いいお店が集まっているのはイーストロンドンで、Allpress, Climpson & Sons 、Caravan are standoutsといった面々。
Flat White
http://www.flatwhitecafe.com
メルボルン
米の世界バリスタチャンピオン、ピート・リカータは、「メルボルンのコーヒーカルチャーは信じられないほどだ」と語っている。
毎年コーヒー・エキスポが開かれるので、メルボルンとしてはコーヒー都市としての自負もあるのかもしれない。
人気なのはラテ、カプチーノ、フラットホワイトは定番で、最近はミルクがさらに少ないピッコロラテが流行っている。
メルボルンではオススメ出来ない店はないらしいが、あえてピックアップするなら、
Axil Coffeehouse Roasters in Hawthorn (322 Burwood Road)
Auction Rooms in North Melbourne
Dead Man Espresso in South Melbourne
の三店。
レイキャビク
一人当たりのコーヒー消費量が多いゲルマン系の人々。
スカンジナビアンも熱心だが、アイスランダーもクレイジーらしい。
コーヒーに人々がフォーカスしはじめたのは、25年前。
その前はアメリカのようなお茶感覚だったらしい。
人気店はStofan とKaffismidja。
ローマ
エスプレッソ文化の本流であるローマ。
朝に飲むのが当たり前すぎて、ハンドドリップが入る余地はない。
オススメ店は
ポポロ広場のRosatiや、Sant’ Eustachi。
シンガポール
最近コーヒー・カルチャーが盛り上がっているらしい。
チャイナタウンのStrangers’ Reunion、Pasar Bella marketplaceのDutch Colonyなど。
シアトル
いわゆるセカンド・ ウェーブの象徴のようになってしまったが、選ばれている。
しかし、コーヒー・ギークが多く、常にカルチャーは進化し続けているらしい。
店はキャピトル・ヒルのVictrola Coffee Roasters、コロンビア・シティのEmpire Espresso、ダウンタウンのSeattle Coffee Works。
ウィーン
カフェが無形文化としてユネスコに登録されたコーヒー・カルチャーのヒストリータウン。
古い文化だけでなく、2012年に世界バリスタ選手権を開いて新しいコーヒーカルチャーも育てようとしている。
しかし、まだまだ伝統的なのは否めないはずだ…。
紹介されているDemelは超がつくほど伝統の老舗。
ウェリントン
フラット・ホワイトはシドニーで生まれたが、ウェリントンで完成したと言われている。
今ではNZの国民的ドリンクだ。宗教的でもある。
店はFlight Coffee Hangar、Memphis Belle、Lamason Brew Bar.
というわけで、ウェーブもなにもなかったが、行ってみたい店はいくつかある記事だった。
今後は人々が良質のコーヒーショップ目がけて旅をすることも多くなるだろう。
私は観光関係者にNYやベルリン、西海岸やポートランドといった、インディペンデント系のコーヒーカルチャーが生まれる都市が若い世代の目的地になると指摘してきた。
ヨーロッパ型の名所名跡観光ではインパクトが少なく、ショッピング型は消滅する。
日本は文化が成熟し、未来志向なのでお金の無駄遣いをしなくなるという賢さがあるからだ。
若者は特に貯蓄をし、消費活動を抑える傾向にある。
しかし、本当に欲しいもの、行きたい場所にはお金をかけるようになる。
そのためには、都市の質、つまり最新のフードカルチャーが必要となっていく。
そういった意味での東京の魅力は増すばかりだ。
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