ブカレスト 地下ジャンキーの世界。「チャウチェスクの子供たち」のその後。
英デイリーメールが、ブカレストの地下ジャンキーエリアを記事にしている。
ここは、広大な地下構で、何百人ものジャンキーが住む。
すべてがHIV保持者で、4分の1が結核持ちだという。
この悲惨な状況のはじまりは、あのチャウチェスクの時代にある。
彼は大統領時代、「子供を4人生む」という政策を行ったが、当時のルーマニアは、自国農産物を輸出ばかりする政策によって、自国民が飢えていた。
そのため、子供たちは捨てられ、ストリートや施設に集まる。
彼らは、「チャウチェスクの子供たち」と呼ばれた。
施設では食べるものがないので、その替わりに、血液製剤を子供たちに与えていた。
HIVは、その血液製剤によって蔓延する。
子供たちはHIVになり、政権はその事実を隠蔽した。
大人になった子供たちは、地下に移動した。
そして、彼ら自身が子供を作ったのだった。
地下帝国を支配しているのは、リー(ブルース・リー)と呼ばれる男。刺青と自傷のあとが生々しい。
生後3日で母親に捨てられた彼は、施設に送られる。
そのとき一緒に育った友は、全員亡くなっている。
彼の父は、ドラッグ・ディーラーだった。
彼から地下の人々にGlue(シンナー)が届けられていた。
やがて、その子供であるリーが、住むようになり、この広大な地下の王となった。
腕と足にはチェーン。ジャケットにはバッジとキー。
まさにアンダーグラウンドの王という威厳が彼にはある。
地下への入り口は、駅前の歩道。そこに穴があり、午後遅くにゾンビのように人が這い出てくる。
地下世界の状況はぜひリンク先の写真を見てほしい。
映画としか思えない光景がひろがっている。
おそらく彼らには、彼らだけの物語と伝説があるのだ。
決して観光客が出会うことのない、ブカレストの影の物語。
Similar Posts:
- ヨーロッパ最貧のスラムドッグか。 スロバキアのLuník IXスラム。
- アメリカ建築家協会が最優秀賞を発表 まるで禅ハウス。
- パリに横行する東欧スリ・ギャングの実態
- 俳優のようなこの男の写真。そして1865という数字。あの暗殺事件。 映画『声をかくす人』
- 英メディアが中国の纏足を特集
- 33年前に行方不明になっていた兵士が生きていた。
- NYの駅にアメーバ状のインフラあらわる?
- 西ロンドンに登場した滑り台付きのレインボー・ハウスとは
- 緑の多い場所に住むと、赤ちゃんはよく育つ。説
- 時計サイズのガジェットが指の動きを感知してテレビを操作する