5月13日に突然開催されたトヨタとマツダのパートナーシップ締結会見について、米メディアもトップニュースで扱っている。
「両社は製造、技術の連携を深め、長期的なパートナーシップを結んだ」という内容だが、具体的に「トヨタは水素燃料電池システムとプラグインハイブリッド技術、マツダは低燃費スカイアクティブシステムとクリーンディーゼル技術」を互いに引き換えるのだと報道している。
また、トヨタについては「世界最大の自動車メーカー」、マツダについては「日本で最も小さい輸出依存型」と表現。
提携については先月フィアットクライスラーCEOのセルジオ・マルキオンネが、「自動車メーカーがそれぞれ独自に製品開発するのはお金の無駄だ」と発言したことを紹介し、各社が一緒に製造開発をして、業界を再編すべきだという意見と今回の提携が同じ考え方であることを紹介している。
マツダはフォードとの提携解消以来、困難な時期を乗り越え、ここ数年でカー・オブ・ザ・イヤーを受賞するほど勢いがあるが、今後の水素燃料やハイブリッド車などで開発に追いつくには多くの現金が必要となり、そういった体力はないのではないかと見られている。
以上が米メディアの捉え方で、トヨタはもちろん、マツダは北米でも大人気なので、注目度は高い。
しかし、国内では相変わらずアクア、プリウスがトップの売り上げで、1月からはマツダのデミオが5位、7位、12位、10位とトップにはまったく食い込めてない。
話題となったCX-3でも3月に22位だった。
それでも豊田社長は会見で述べたとおり、とにかく「車としての魅力があり、愛車と呼べるもの」を作りたいと考えていて、それを小さなマツダが実現していることに魅了されている。
そのため、「マツダさんは素晴らしい。素晴らしい会社と提携できて嬉しい」と、あくまでフレンドシップを強調していた。
マツダは弱者ながら、車の魅力を生み出すという点でプライドを保ち、呑み込まれるのではなく、安心的で長期的な業務提携を結ぶことに成功したようだ。
今後はどのような展開があるのか。
マツダとしては過去にアクセラがトヨタのハイブリッド技術を使ったが、今後は堂々とハイブリッドをラインナップに組み込み、プラグインハイブリッドも持ってくるだろう。さらに、将来的には水素自動車もマツダで出るということだから、スカイアクティブ水素自動車が誕生するのか。
「運転する愉しみ」を実現するという意味では個性のあるマツダが、トヨタに何をもたらすのかはまだ未知数だ。
サイオンですでにデミオを使ってはいるが、まだ本気度は見られない。
トヨタが本気でクリーンディーゼルを使いたいとは思っていないはずだ。
トヨタはやはり、水素自動車社会の未来を考えているのではないだろうか。
自分たちの夢見る水素燃料電池の車社会を、世界的に実現する。
そのためにも、マツダが加わることは大歓迎なのだ。
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