今のポートランドを知る本で、『マイ・プライベート・アイダホ』とさよならする。
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10代のころ、強烈に憧れた映画はただ一つ。『マイ・プライベート・アイダホ My own private Idaho』だ。
ドラッグ、売春、同性愛に揺れる若者たちの映画だが、脇役は現地の若者を採用していた。
そして、実際に出演したうちの一人が、ドラッグ中毒で後に死亡した。
荒れる町。
それをそのまま表現していた映画だったが、その舞台こそがポートランドだった。
しかし今、自分の手元に一冊の本がある。
昨日、参宮橋のPaddlers Coffeeで手に入れた、『TRUE PORTLAND』だ。
最近、多くの人に紹介されるようになったポートランドだが、それをポジティブに本格的に紹介するはじめての本。
「クリエイティブシティ」という自分にとっては懐かしい言葉も入っている(WebマガジンShin-Kuの特集は東京をクリエイティブシティにするというものだった)。
実はまだじっくり読んでいないが、圧倒的に面白い。
どうやっても追いつかない、世界の街の最新の店の蠢き。
いつまでも危ない町のイメージがぬぐえなかったポートランドも(世界の人々はとっくにその考えをぬぐい去っている。マイ・プライベート・アイダホのことも、Paddlersの若い店主は知らなかった)、やっと自分の中で大きく変えることができる。
あの映画の若者たちの苦しみは、自分の青春時代の若さゆえの苦しみと重なり、好きな映画なのに観れない状態が続いているが、あの町の姿がもうないのなら、その意味のない拒否反応もなくなるかもしれない。
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